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トップニュースエースコックベトナム 30周年キャンペーンで日本旅行 「Hao Hao」を盤石に

エースコックベトナム 30周年キャンペーンで日本旅行 「Hao Hao」を盤石に

エースコックは、ベトナムの即席麺市場でかねてよりトップシェアを快走する。年間33億食以上を販売し、主力の「Hao Hao(ハオハオ)」は国民食とも呼ばれる存在だ。看板フレーバーの「TOM CHUA CAY(トムチュアカイ)」は旨辛で爽やかな酸味のエビだしスープが特長。その現地法人エースコックベトナムが即席麺の製造・販売を開始して30周年を迎えた。これを記念し、今年は日本旅行など豪華賞品が当たるキャンペーンや限定の激辛フレーバーを展開、市場を盛り上げている。

カップ麺や新商品が売上貢献

1993年に現地企業とベトナムに合弁会社を設立し、95年から即席麺の製造・販売がスタート。その5年後に発売した「Hao Hao」が爆発的なヒット商品となり、現在の礎を築くに至った。

エースコックの業績資料によると、24年12月期の海外事業売上高は943億7700万円、10・4%増。同社海外事業部は「ベトナムの即席麺市場は従来に比べて伸びが鈍化し、当社も基幹商品の実績は横ばいだったが、カップ麺や新商品が好調で上乗せした」と話す。

近年は、「Hao Hao」ブランドをさらに盤石な存在にするため、子どもから大人まであらゆる世代が多様な食シーンで楽しめるようラインアップを拡充している。

その中でも若者を中心にタテ型カップ麺の「Hao Hao Handy Hao Hao(ハンディ ハオハオ)」シリーズが人気上昇中。コンビニやスーパーなどモダントレードとされる販売チャネルの伸長に伴い、カップ麺の売場が着実に広がっている。

キャンペーンで豪華賞品
キャンペーンで豪華賞品

主力の袋麺では昨年、「Hao Hao TOM CHUA CAY」で1食100gの「同BIG」を発売。ベトナムで即席麺は朝食・間食での利用が主流だが、レギュラー品比3割増の食べ応えで昼食・夕食需要の開拓を目指した。

25年度は30周年の感謝を込め、5~7月の期間で大規模なキャンペーンを実施。「Hao Hao」をはじめ21SKUを対象に、日本旅行、スマートフォン、バイクなどの豪華賞品が当たる。

17年に立ち上げた「Siukay(シウカイ)」ブランドでは、30周年にちなみ激辛スパイスを3倍に増量した限定品を袋麺とカップ麺で発売。海鮮味をベースに、ベトナムでもトレンドの刺激的な辛さが楽しめる。

輸出が前期2ケタ増、欧米向け拡大

日本でカップ麺を本格展開
日本でカップ麺を本格展開

エースコックベトナムは輸出事業にも注力し、前期は二ケタ増と拡大した。「Hao Hao」などを40か国以上に展開するが、近年は欧州や北米で「フォー」の取り扱いが広がっているという。これまでの小麦麺に加え、ベトナムならではの米麺がグルテンフリーやヴィーガンといったニーズにも合致し、現地系の有力スーパーで採用が増えている。こうした勢いを加速させるべく、25年に「輸出事業本部」を新設。機能を強化し、さらなる事業展開を進める。

今年は日本でもエースコックベトナムの商品が存在感を増している。6月に日本向けの「タテ型Handy Hao Hao Tom Chua Cay」の本格販売をスタート。ベトナムの即席麺№1ブランドを手軽に楽しめるとあって好評だ。

同社は「従来は日本に住むベトナムの方々がメーンの購買層だったが、最近は日本国内でエスニック系のフレーバーが広く浸透。現地で人気の商品を中心に取り扱いを増やしていく」(海外事業部)。

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