バイオバンクの主力製品は植物醗酵エキスサプリメント「OM-X」。創業者大平猪一郎博士が編み出した独自製法で3年以上醗酵させた植物由来のサプリだ。
強みについて3代目社長の森田将基氏は、多くの国内外での学会発表やヒト臨床試験等に裏付けられた豊富なエビデンス(科学的根拠)を有していることを挙げる。それらがまずは海外で広まり、米国、ヨーロッパ諸国、東南アジアなど35か国以上に販路を広げ、販売も順調だ。23年にはニイタカと資本業務提携。「醗酵技術の応用で世界の健康とキレイを支える」を掲げ、今後は国内もさらなる強化を図る。売上高は「10年で2倍」が目標。
同社は岡山市の閑静な地域に本社と工場を構える。工場外観もおしゃれな住宅を思わせるデザインが特徴で、リスク分散の観点からも同市内に平田発酵醸造所と桑野醗酵醸造所の2拠点で製造している。
事業は売上の8割以上が「食品分野」で、その半分以上を占める海外は順調だが、国内は昨年の紅麹問題で一転厳しい。
「OM-X」は、大平博士が選び抜いた十数種類の乳酸菌やビフィズス菌などの微生物で、野菜、果物、海藻、茸類など非常に多くの植物原料を3年以上醗酵させている。
そのエキスをカプセル化した製品は国内は2種類。「OM-X 12PLUS」は、それらの原料を65種類使用し3年熟成させたエキス。「OM-X DELUXE5」は、92種類の原材料を5年熟成させている。製品化においては厚生労働省が定める「全工程で適正な製造管理と品質管理」に付与される「健康食品GMP」を取得している。

海外は「OM-X」を最初に販売したマレーシアをはじめ、米国、ヨーロッパ諸国、フィリピンなどが主力で、それぞれの国で現地企業と総代理店契約を結び、代理店がEC販売のほか、現地のオーガニックスーパーなどの小売店に販売している。商社を介在させずバイオバンクと代理店が直接取り引きするので「コミュニケーションの良さが強み」(森田社長)だ。
また、特に海外では、同社が豊富に有するエビデンスが有用となる。これまでも米・ハーバード大学などとの共同研究を行っており、これまでのエビデンスは、抗菌物質産生、自然免疫活性化などを基本に、ヒト試験では便秘改善、下痢改善、骨密度上昇など、動物試験では抗アレルギー作用、持久力向上、抗疲労作用など、多くの結果を論文等で発表しており、サプリメント先進国米国では、ベストサプリメント賞(乳酸菌部門)」を9度受賞し、「日本古来の醗酵技術と最新テクノロジーが融合した唯一の乳酸菌製品」と評されている。
一方、国内は主力のEC販売を中心に、新たな売り方、販売ルートを模索していく。今後は豊富なエビデンスを背景に「OM-X」には腸内環境を整える三つの要素が含まれていることを訴求していく。一つ目は、腸で活躍する善玉菌(プロバイオティクス)。二つ目は、この善玉菌の成長をサポートする食物繊維やオリゴ糖(プレバイオティクス)。三つ目が、その活かされた善玉菌が腸内に定着して活躍することで生まれる代謝物質(ポストバイオティクス)だ。
(7月18日号本紙に「健康食品特集」)