大森屋は海苔原料の高騰が続く中、ふりかけなど海苔以外の製品の構成比を高める。現在(前9月期)、ふりかけの構成比は全社売上の13%。稲野達郎社長は「最低3割なければ売場で存在感は出せない。海苔の相場に左右されないよう、海苔以外の商品の構成比を高め、年商全体を押し上げるくらいの成果を2、3年のうちに出したい」と話す。
こうした考えに基づき新たに発売するのが、焼きおにぎり用のスプレッド「おうちで焼きおに」(香ばし醤油味・焼きカレー味の2品)。おにぎりに塗ってトースターかフライパンで焼き、簡単にできる点を訴求する。
ターゲットである小学生を持つ親世代に実施したモニター調査では7割がトースターの利用を選択、そのうち9割が作りやすかったと回答した。食シーンは間食、朝食という答えが多かった。

今回は事前にスーパーでのテスト販売も実施。バイヤーからは「定番売価でこの実績は上々」「展開次第で十分に売れる」との評価を得た。ふりかけや調理米飯の棚を想定するが、定番だけでなくパックご飯とのエンド陳列やサイドネットでの販売も見据える。テスト販売の実績を踏まえ、ファミリー層の来店が多い店舗での展開も視野に入れる。キャンプ場でバーベキュー向けのサンプリングも予定。10g×3個入で標準小売価格220円(税抜き)。
一方、海苔はヒット商品「バリバリ職人」と異なる“サクフワ”食感の「サクサク職人」を発売。「バリバリ職人」の弟子という位置付けで、さらに低い1枚当たり0.7kcal。価格はオープンだが「安売りではないが、値上げで海苔が高くなる中、手の届きやすい価格で販売する」(稲野社長)としている。