デジタルや物流加工 独自提案で課題解決 伊藤忠食品

伊藤忠食品は7月9、10の両日、インテックス大阪で「夏季展示会 FOOD WAVE2025」を開催した。「未来開拓ストラテジー」をテーマに掲げた今回は企画コーナーに252社、メーカー小間に381社が出展、約8000人が来場した。

リテールメディアゾーンでは注力するデジタルサイネージを活用した施策として、同社が配信可能な全国の1万8000台を使った広告や、チラシアプリの「トクバイ」と連動した企画を提案。担当者は「店外からの集客につなげるとともに、競合店との差別化にもなる」と強調する。

物流は大阪市にあるISC大阪ギフトセンターの流通加工について、複数メーカーの缶チューハイを箱詰めしたアソート、ギフトの頒布会などの事例を紹介。人手不足の中で、メーカーや小売からの引き合いが強まっているという。

惣菜コーナーではコメの代替としてパン、麺、粉もんの3つの主食に焦点を当てた。ご当地ラーメンを提案した大徳商品は「コンビニではご当地麺が人気だが、スーパーではまだ少ない。デリカの麺は伸びており、2か月程度の改廃で目新しさも出せる」と話していた。

日配はデータ商品企画ツールのFOODATAを使い、開発した留型商品を試食提供。今回は購買や味覚のデータ、SNSなどを分析し生み出した“みたらし団子”を用意した。「日配はその店にしかない独自の商品を作りやすい」と担当者はアピールする。

全国の商品を集めた「ふるさと食むすび」には、昨年を30社上回る100社が出展した。徳島市の柚りっ子は、香りを残すためすべて手作業で半搾りした「ゆずシロップ」を提供。林大吾社長は「無農薬で保存料や化学調味料は添加していないので、化粧品や健康食品とセットで売られることも多い」と説明する。

このほか、高額・限定品を組み合わせたラグジュアリー商品、酒類では今後注目されそうなジャパニーズウイスキーなど、随所でテーマに沿った提案を行い注目を集めた。

緒方学常務は「店が今抱えている課題、例えば点数や来店客数のアップなどに対し、サイネージやラグジュアリーなど同業が提案していないところを強化することで解決につなげたい」と話した。