日本フレイル予防サービス振興会 イオン、キユーピーなど10社で設立 食の取り組み、制度認証へ

小売業や食品メーカー10社で構成する日本フレイル予防サービス振興会が6月25日、正式に活動を開始した。同振興会では、これまで東京大学高齢社会総合研究機構を中心に行ってきた産学官連携による高齢者のフレイル(虚弱)予防の実証研究や事業化研究の社会実装を目的に発足した。神奈川県の黒岩祐治知事を会長とするフレイル予防推進会議と連携しながら、産業界としてフレイル予防の推進に貢献する。

現在、小売業と食品メーカーが一体となって取り組む食生活提案に関する認証制度の社会実装を進めており、イオンの店頭でフレイル予防をうたった実証実験などを展開。店頭でフレイル予防のレシピなどを紹介する考えで、今後は会員企業による制度の活用も検討し、振興会による認証制度とする。

主な事業内容は次の通り。

▽フレイル予防のポピュレーションアプローチに関する啓発、広報(教育)事業
▽フレイル予防に関する官民連携推進に関する事業
▽フレイル予防サービス産業振興のためのセミナー、ワークショップなどの研修事業
▽フレイル予防の健全な発展に資する情報・知見の収集と情報利活用推進事業
▽民間が行うフレイル予防サービスに関する自主認証制度の運営ならびに推進事業
▽会員企業のフレイル予防啓発に関する取り組みへの支援事業など。

同振興会のロゴマークは「栄養」「身体活動」「社会参加」という高齢者のフレイル予防に必要な3本柱の取り組みを組み合わせたイラストで表現。地域の人々が日々の生活で自然とフレイル予防につながる生活様式を取り入れてほしいという願いを込めた。

設立総会後の記者発表で久木邦彦理事長(イオン ヘルス&ウエルネス担当責任者)は設立の目的を述べるとともに、設立に至った背景を説明。「自分らしくより良く生きていける明るい高齢社会とすこやかな100年人生の実現に向け全力で活動する」と誓った。

有識者理事には飯島勝矢氏(東大高齢社会総合研究機構機構長、教授)、矢島鉄也氏(日本健康・栄養食品協会理事長)、辻哲夫氏(医療経済研究・社会保険福祉協会理事長)が就任。企業理事のうち幹事にはイオンの渡邉廣之氏(執行役副社長)、キユーピーの加納優子氏(執行役員広報・サステナビリティ本部長)、マルタマフーズの服部太郎氏(代表取締役社長)が就く。

会員企業はイオン、キユーピー、マルタマフーズ、伊藤ハム、ニチレイフーズ、日清オイリオグループ、ニッスイ、はごろもフーズ、フジッコ、明治。事務局は医療経済研究・社会保険福祉協会が担当する。振興会では、食だけでなく運動、社会参加の取り組みを進めるべく関連する企業、団体、個人の参画を募っている。