三島食品のロングセラー商品「ゆかり」。国内で販売されている赤しそふりかけのシェア85%以上を占め、海外でもさわやかなしそ風味が楽しめるフレーバーとして「ゆかり」の需要が広がっている。
国内の米消費量は長期減少傾向にあるが、「ゆかり」は安定成長が続く。直近では米の価格高騰と物価高で節約志向が強まる中、コストパフォーマンスに優れたふりかけ市場は堅調に推移。外食の値上がりで弁当需要が増えたことも追い風になっているが、「ゆかり」はご飯のお供としての利用だけでなく、様々な料理への使用が広がっているという。
この流れをさらに加速するべく、三島食品では「メイン食材販売支援プログラム」を展開している。グロサリー売場にとどまらず、青果や鮮魚、精肉やデリカなどスーパーマーケットのコンコース売場で「ゆかり」を使用したメニューを提案、調味料としての認知度を高めていく。
あるスーパーでは、「ゆかり」を使ったメニューを提案したところ、ロース肉の売上が3倍に増加。青果では千切りの長芋に「ゆかり」をかけた簡単サラダを提案し、約2.5倍の販売数量を達成した。そのほか、デリカ売場の天ぷら(3.3倍)や鮮魚売場の生タコ(3.5倍)でも異常値を叩き出している。
同社では、メニューレシピ集やPOPなどの販促物も用意し、得意先スーパーの協力を得て売場を楽しく演出、集客と売上アップに貢献する。おいしさと健康、作る楽しさを提案し、「ワクワクする赤しそワールドでお客様を引き込んでいきたい」と語る。
様々なメニューに使える「ゆかり」だが、その中でも相性が良い食材が「きゅうり」。レシピブックでも、巻頭ページで「きゅうりの赤しそ漬け」が登場する。
「ゆかり」ときゅうりの相性の良さをいかに伝えていくか。きゅうりといえば河童の大好物であることにヒントを得て、両手に「ゆかり」ときゅうりを持つ等身大の河童マネキンを作成。展示会等で精力的にアピールを重ねている。
「今年はカッパ大作戦を遂行する」と末貞操社長も本気だ。岩手県遠野市のカッパ捕獲許可証を名刺に潜ませ、トップ自ら話題作りにも注力。簡単でおいしい、きゅうりの赤しそ漬けを訴求する。
広島菜の「ひろし」はザ・広島ブランドにも認定。「鮭ひろし」「だしひろし」のシリーズ展開が広がっている。市販用だけでなく、広島県内を中心に「ひろし」ごはんが給食に採用されるケースも増えており、「ゆかり」に続く新たな柱商品としての期待も膨らんでいる。
