「貢茶(ゴンチャ)」ペットボトル飲料が進化 マンゴー新登場 ティーカルチャーの創造へセブン・ゴンチャ・キリンビバが協働

 セブン‐イレブン・ジャパン(SEJ)、ゴンチャ ジャパン、キリンビバレッジの三者は、このほど進化させた「貢茶(ゴンチャ)」のペットボトル飲料を通じて、さらなるティーカルチャーの創造に向けて昨年に引き続き協働する。

 7月1日、全国のセブン‐イレブン限定で「貢茶」ブランドから「黒糖烏龍ミルクティー」をリニューアル発売し、「阿里山烏龍ピーチティーエード」の差し換え商品として「阿里山烏龍マンゴーティーエード」を新発売する。

 いずれも400mlPET入りで、税抜希望小売価格は各178円。

 6月20日、「貢茶 ペットボトル飲料 新商品発表&アレンジ体験会」に臨んだSEJの大口裕也商品本部飲料・酒・加工食品部マーチャンダイザーは「三者それぞれの強みを掛け合わせて新しいティーカルチャーの体験を日本中のお客様に届けていきたい」と意欲をのぞかせる。

左から「貢茶 ペットボトル飲料 新商品発表&アレンジ体験会」に登壇したキリンビバレッジの齋藤多実氏、ゴンチャ ジャパンの木村杏奈氏、セブン-イレブン・ジャパンの大口裕也氏
左から「貢茶 ペットボトル飲料 新商品発表&アレンジ体験会」に登壇したキリンビバレッジの齋藤多実氏、ゴンチャ ジャパンの木村杏奈氏、セブン-イレブン・ジャパンの大口裕也氏

 緑茶・紅茶・その他のお茶を包含したティー市場の盛り上がりを追い風と捉えるのは、キリンビバレッジの商品開発研究所飲料開発担当の齋藤多実氏。

 「当社だけではなく各社から次々と新しい提案が出てきている。特に茶葉やフルーツを掛け合わせたティーの持つ多様性を活かした商品が次々と発売されている。『午後の紅茶』からも直近では無糖のフルーツティーを発売して大変ご好評をいただき、清涼飲料市場においてもティーの盛り上がりを感じている」と齋藤氏は語る。

 外食のトレンドからも勝算を見込む。

 ゴンチャ ジャパンのマーケティング本部R&Dシニアスタッフの木村杏奈氏は「カフェ市場(外食市場)ではコーヒーチェーン店がティー専門店を展開するなどティーカフェ市場は盛り上がってきていると感じている。また、当社が行った調査では“お茶しよ?”と言われて、30~40代よりも10~20代のほうが紅茶・その他のお茶などお茶をイメージする割合が高いことが判明した」と指摘する。

 昨年7月、「黒糖烏龍ミルクティー」と「阿里山烏龍ピーチティーエード」2品を発売。発売初週の販売実績は2品計で約570万本を記録、7-12月累計では2200万本に達した。

 発売初年度の販売についてSEJの大口氏は「我々の想像を遥かに超えるご反響で、初年度として大きなステップを踏むことができた」と総括する。

「貢茶 阿里山烏龍マンゴーティーエード」と泡立ててミルクフォーム状にした「セブンプレミアム 毎日の食卓牛乳」のカスタムアレンジティー
「貢茶 阿里山烏龍マンゴーティーエード」と泡立ててミルクフォーム状にした「セブンプレミアム 毎日の食卓牛乳」のカスタムアレンジティー

 今回、初年度の好調の動きを加速させるべく商品に磨きをかけた。「黒糖烏龍ミルクティー」のリニューアルにあたっては、ゴンチャからの提案のもと昨夏あたりから検討に入った。

 ゴンチャの木村氏は「昨年の商品はすごくおいしいが、ティーへのこだわりとプライドを持つ三者であれば、さらに良いものを目指せると考え、昨年8月にキリンビバレッジさまにフィードバックを送り、口にした瞬間から飲み終わるまでの風味や香りなどいくつかの軸に分けて、よりゴンチャらしい味わいにするための改善ポイントを申し上げた」と振り返る。

 これを受けキリンビバレッジは、SEJとゴンチャを研究所に招くなどして、80回ほどの試作を重ねてリニューアルに漕ぎつけた。

 キリンビバレッジの齋藤氏は「烏龍茶の香り・黒糖の質感・ミルクの濃厚さの3つがポイントとなる。この中で烏龍茶の香りが少し弱いとのコメントをいただいたが、烏龍茶を多く入れてしまうと、今後はお茶の渋味や苦味まで強くなってしまう。配合を見直して再設計して、よりゴンチャさまの店舗メニューらしい味わいにアップデートすることができた」と胸を張る。

 パッケージデザインも変更し、「貢茶レッド」をイメージした赤いキャップを新たに採用した。

 一方、今回新登場となる「阿里山烏龍マンゴーティーエード」はゴンチャの店舗で人気No.1のメニューを再現したものとなる。

 「マンゴーの濃厚な甘さがありながら、お茶の爽やかさでスッキリと切れるのが後味が特徴で、飲み飽きないというのが人気の秘訣だと考えており、そのようなポイントを再現するように開発した」と述べる。

カスタムアレンジティー4種類
カスタムアレンジティー4種類

 コミュニケーション施策は各社でSNSなどを活用して発信。ゴンチャ店舗ではPOPを掲示してアピールしていく。ゴンチャ店舗数は6月末時点で201店舗、2028年までに400店舗への拡大を計画する。

 カスタムアレンジ―ティーの発信も行っていく。

 「昨年は『黒糖烏龍ミルクティー』に『黒糖わらび』を組み合わせるSNS投稿が多くみられた。こちらから仕掛けたわけではなく自然発生的にお客様から火が付いた」(SEJの大口氏)という。

 発表会では4つのカスタムアレンジティーを紹介。

 「黒糖烏龍ミルクティー」では、わらび餅の食感が楽しめる「セブンプレミアム ぷるるん食感 水わらび白桃」との組み合わせと、泡立ててミルクフォーム状にした「セブンプレミアム 毎日の食卓牛乳」の組み合わせの2つ。

 「阿里山烏龍マンゴーティーエード」では、「セブンプレミアム のむヨーグルト アロエ」と組み合わせと、「北海道産牛乳使用 ミルク味わう牛乳寒天」との組み合わせの2つ。

 目標売上本数などは非公表。SEJの大口氏は「店舗の導入率はほぼ100%となっており、昨年以上の販売数量を期待している」と力を込める。

 なお、インテージSRI+によると、24年コーヒー飲料市場は4105億円(19年比2.5%減)、ティー飲料市場は7478億円(19年比3.1%増)。
 ティー飲料市場の内訳は、緑茶飲料3059億円(19年比0.3%減)、紅茶飲料1290億円(19年比3%増)、その他のお茶飲料3090億円(19年比6.6%増)。