ロッテ「咀嚼チェックガム」で噛む力測定 オーラルフレイル予防へ「千葉県民の歯と口の健康づくりの推進に関する連携協定」締結

 ロッテは、千葉県歯科医師会と全国健康保険協会千葉支部との三者で「千葉県民の歯と口の健康づくりの推進に関する連携協定」を締結し、主に「咀嚼チェックガム」を提供して千葉県民の噛む力を測定しオーラルフレイル(口腔のささいな衰え)予防に貢献していく。

 6月23日、千葉県歯科医師会(千葉市)で協定締結式に臨んだロッテの髙崎誠司執行役員は「噛む力を知らない方がほとんどだと思う。(咀嚼チェックガムを使い)噛む力を測定した上で、噛むことを意識していただきたい」と語る。

 オーラルフレイルは老化のはじまりを示す重要なサインとして注目される。

 噛む機能が低下すると、肉類などが噛めなくなり、たんぱく質の摂取量が減るとともに、柔らかいものばかりを食べるようになり、噛むために必要な筋力が衰えるという負の連鎖に陥りやすくなる。

 このような兆候を察知するために開発された「咀嚼チェックガム」は2004年に提供開始した非売品のガム。歯や健康のイベントなどで提供されている。

 スマートフォンのWEBアプリを使う場合、咀嚼開始を押して60回のカウントにあわせて咀嚼チェックガム1秒に1回噛む。次に噛み終わったガムを測定台紙の指定の場所に載せて、ガムと台紙を平らな場所に置きカメラで撮影すると解析完了後に判定結果が表示される。

 全国健康保険協会千葉支部では、千葉県歯科医師会と連携し千葉県内の協力歯科医院で咀嚼チェックガムを活用した歯科口腔健診を実施する。

左から千葉県歯科医師会の大河原伸浩会長、全国健康保険協会千葉支部の佐藤信行氏、ロッテの髙崎誠司執行役員
左から千葉県歯科医師会の大河原伸浩会長、全国健康保険協会千葉支部の佐藤信行氏、ロッテの髙崎誠司執行役員

 同支部の佐藤信行氏は「『健康な職場づくり宣言』をしていただいている事業所の従業員から歯科口腔健診を受けたいという希望があった場合、事業所が協力歯科医院に申し込んで健診を受けるという流れとなる」と説明する。

 同支部には、各事業所の事業主・従業員・従業員の家族を合わせて約100万人が加入し、加入者の傾向として噛む力に不安を感じている人が多いことが確認されている。

 千葉県歯科医師会の大河原伸浩会長は「千葉県はオーラルフレイル予防に先駆けて取り組んでいる。予防は良質なたんぱく質を摂ること以外に、ガムなどを噛んで筋肉を鍛えることが大事」と述べる。

 ロッテでは「噛むこと研究室」を開設して、子どもの口腔機能の発達と噛むことの重要性も啓発。2023年から「キリトールガム噛むトレ〈ビリビリサイコソーダ〉」も発売して、フーセンガムでの口腔のトレーニングも促している。

 同商品について、ロッテの髙崎執行役員は「今の若い子はフーセンガムを膨らませられない方が多い。『キリトールガム噛むトレ』は舌の運動や舌の使い方、噛むことのトレーニングができるガム」と語る。