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飲料系飲料蛇口をひねると「カルピス」 アサヒ飲料が新ビジネスを構想 飲み物の価値を引き上げる良質な原体験と新たな接点の創出が狙い

蛇口をひねると「カルピス」 アサヒ飲料が新ビジネスを構想 飲み物の価値を引き上げる良質な原体験と新たな接点の創出が狙い

 蛇口をひねると冷たい水で割られた「カルピス」が出てくる――。

 このような非日常的な特別な蛇口があれば、親子のほか設置先の誰もがワクワクするとの思いから構想されたアサヒ飲料の新・飲料機材ビジネスが「カルピスじゃぐち」。

 機材と業務用「カルピス(希釈用)」(1Lパック)をホテルなどの設置先に提供して、機材レンタル料と「カルピス」商品代を回収するビジネスモデルとなる。7月1日から実証実験が開始される。

 飲み物の価値を引き上げる体験価値の創出と新たな顧客接点の創出が狙い。

 6月24日、発表会に臨んだ未来創造本部CSV推進部の鈴木学Sustainable Drinks推進特任部長は、体験価値の中でも「カルピス」ブランドの特徴を踏まえ子どもの頃の原体験を重視。

左から鈴木氏、三浦氏
左から鈴木氏、三浦氏

 「これまでなかなか接点が築けなかったところに入り込んでいった上で、飲み物を単に提供するだけではなく、お客様に対して飲み物の可能性を最大化すべく体験価値を提供していく。特に『カルピス』ブランドの育成には良質な原体験が最も大事」と鈴木氏は語る。

 子どもが自ら蛇口をひねって飲む喜びを親や家族で分かち合うなど利用者に楽しめる時間を提供するとともに、設置先の施設の魅力度アップも見込む。「利用者が設置先の口コミやレビューをSNSで発信することが考えられる」という。

 初年度はテスト段階として宿泊施設や温浴施設などに10台の設置を目指す。初年度の反響を踏まえてビジネスモデルや機材の改善点を洗い出すととともに営業体制を整えて2030年までに1000台の設置を計画する。

 機材は「じゃぐち」という名称もあり容量などの詳細は非公開。電力で冷蔵で提供する。「カルピス」の原材料に乳や糖を含むことから、今後、機材の清掃のしやすさなどに磨きをかけていくものと思われる。

左から家庭用の「カルピス」ピースボトルと業務用「カルピス(希釈用)」(1Lパック)
左から家庭用の「カルピス」ピースボトルと業務用「カルピス(希釈用)」(1Lパック)

 今回の新ビジネスは、2022年に立ち上げた「TAMAGO ACTION!」と称する新規ビジネス創出プラットホームから生まれた3つの案件のうちの1つ。

 これについて、未来創造本部CSV戦略部の三浦正博部長は「新規事業を主体的にやりたいという社員の背中を押す制度として創出した。第一期で1件、第二期で2件の合計3件がPoC(試作開発に入る前の検証)や市場導入に向けて検証を進めている」と説明する。

 残り2件については「いずれも環境系で工場などから出される動植物性残渣を活用した新ビジネスを研究している」と述べる。

 「TAMAGO ACTION!」の創出により社員のエンゲージメント向上の動きも確認できたという。
 「副業制度でもある『TAMAGO ACTION!』をやることで、今の業務(本業)にも役立ちという社員が非常に多く、エンゲージメントの向上につながっていると考えている」との見方を示す。

 「カルピスじゃぐち」は、炭酸サーバー事業、ウォーターサーバー事業、Ready To Make事業に次ぐSustainable Drinks事業の新たな芽でもある。

 炭酸サーバー事業は現在オフィスを中心に30台設置され、25年は50台設置を予定。ウォーターサーバー事業はオフィスやランニングステーション、大学での実証実験を実施し26年の事業開始を計画している。

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