6.4 C
Tokyo
5.1 C
Osaka
2025 / 12 / 28 日曜日
ログイン
English
飲料系飲料サントリー初アサイーのペットボトル飲料で「クラフトボス」初の果汁飲料が予想外のバカ売れ 働く人のオンタイム需要を獲得

サントリー初アサイーのペットボトル飲料で「クラフトボス」初の果汁飲料が予想外のバカ売れ 働く人のオンタイム需要を獲得

 サントリー食品インターナショナル初となるアサイーのペットボトル(PET)飲料で「クラフトボス」ブランド初の果汁飲料となる新商品「クラフトボス ベリー&アサイー」(500mlPET)が4月1日の発売以降、働く人のオンタイム需要を獲得してCMや販促などの大きなプロモーションをしていないのにも関わらず、好調な売れ行きだ。

 その要因は、アサイーボウルが脚光を浴びるなどアサイーブームが起こる中で、これまでアサイーとは縁遠かった生活者を多く獲得している点にある。

 5月27日、取材に応じたSBFジャパンブランドマーケティング本部の山本理紗子さんは「アサイーブームとは言え、アサイーボウルは高価格なものが多く、価格面からユーザーや購入頻度は限られているとみている。そうした中、手頃な価格の『クラフトボス』からアサイーフレーバーを発売したことでアサイーを身近なものにした。実際に“手軽にアサイーが摂れて嬉しい”といったお声を頂戴している」と語る。

「クラフトボス ベリー&アサイー」と「クラフトボス レモン&カボス」をアピールするSBFジャパンブランドマーケティング本部の山本理紗子さん
「クラフトボス ベリー&アサイー」と「クラフトボス レモン&カボス」をアピールするSBFジャパンブランドマーケティング本部の山本理紗子さん

 他の果汁商品と比較すると、30~50代男性の購入割合が高いのが特徴。開発の狙いどおり、仕事中に多く飲まれているという。

 同商品はそもそも「クラフトボス」初の果汁に特化した飲料としてチャレンジ商品の位置づけで開発された。

 「既存の果汁飲料は、どちらかというと仕事以外の休憩時のオフタイム飲用中心のラインアップが多いことから、仕事中にも飲み続けやすい果汁飲料にチャンスがあると考えた」と振り返る。

 中味開発や原料の選定にあたりアサイーブームの影響だけではなく、アサイーの機能面にも着目した。
 「流行りだからアサイーとなったのではなく、働く人が少し疲れた午後のタイミングに、気持ち的にもカラダ的にも“キュッ”と活力回復できるような果汁飲料を作ることを第一に考えた」という。

 心身が“キュッ”と引き上がる機能的価値は、ラベルに“GOOD UP”と記載して表現。ラベルではクエン酸1500mgと1日分のビタミンB6&ナイアシンも訴求している。

 「総じてお客様の反応としては、クエン酸と疲労回復の連想が強く、“クエン酸入りだから仕事に疲れたときにいい”とか“朝から会社に持っていこう”といったコメントが見られる」と述べる。
 原料は、アサイーのほか、アセロラ、ぶどう、カシス、ストロベリーの複数の果汁をブレンドして使用。ラベルには原料の果実のシズルをあしらっている。

 中味設計については「アサイーの味が強すぎてもお客様に馴染みがない味になってしまうかもしれないし、弱すぎてもアサイーを感じられずがっかりさせてしまうかもしれない。日常的に、仕事中に飲んでほしい味づくりをアサイーとベリーなどとのバランスを考えながら試行錯誤を重ねた」と説明する。

 透明な液色にもこだわった。「視覚的にも元気にしてくれるイメージを打ち出すとともに、一日かけて飲まれることを想定し時間が経っても鮮度感が失われないように、透明感のある液色を追求した」と語る。

「クラフトボス レモン&カボス」(右)
「クラフトボス レモン&カボス」(右)

 「クラフトボス」から同時期に発売開始した果汁飲料「レモン&カボス」(500mlPET)も「ベリー&アサイー」には及ばないものの、高いリピートを獲得するなどシリーズで好スタートを切った。

 2品のブレンドと商品名については「『クラフトボス』でしか楽しめない組み合わせとして、お客様が安心して手に取れる馴染みのフルーツとしてレモンとベリー、機能感がありつつペットボトル飲料では斬新なフレーバーとしてカボスとアサイーといった具合に、安心と斬新を組み合わせた」という。

 パッケージは、男性ユーザーも手に取りやすい「クラフトボス」らしい佇まいを意識。ブラックのキャップを採用し、ラベルにはブラックの差し色を入れて「少し締まりのある理性的で頼れる世界観を打ち出し、仕事中に飲むのにふさわしいデザインに仕立てた」。

 現在、全国のスーパー・量販店と一部のコンビニ、「ベリー&アサイー」の280mlPETのみ自販機で販売されている。

 店頭導入はまだまだ伸長の余地があるが、導入店あたりの販売数量(週販)はロングセラーの果汁飲料を凌ぐレベルで推移している。

 大きなマーケティング投資をかけていない中で、想定を大幅に上回る販売好調を受けて、「ベリー&アサイー」を定番商品に育成すべく、新たな仕掛けも検討している。

 「クラフトボスとアサイーを合わせた提案により働く人の生活に入り込めて、働く人の心身に効く果実飲料の兆しを見出せたのが一番の収穫。好調を受けての今後の商品展開についてアサイーから派生させるかを含めて今まさに議論しているところ。店頭導入についても、好スタートを受けて、より広げられるように営業と作戦を立て、プロモーションも検討している」と力を込める。

「クラフトボス シークワーサー&梅」
「クラフトボス シークワーサー&梅」

 引き続き果汁飲料としての可能性も探るべく、7月には季節限定商品として「クラフトボス シークワーサー&梅」を発売する。

 「シークワーサーと梅はともに安心と斬新、どちらの要素も兼ね備えている。シークワーサーや梅の飲料は夏らしいフレーバーとして納得感がある一方でそれほど多く市場に投入されていない」との考えのもと開発された。

 熱中症対策飲料の水準を満たすナトリウム量が含まれているが、熱中症対策の訴求は行わずラベルに塩のアテンションを入れるだけに留めた。
 「発売している2商品と同様に、働く人の身近な存在になることを優先して、“疲れた時に酸味や塩味があるものが欲しい”といったニーズに対応するアレンジとして、塩を訴求している。働くときに飲んで少し“キュッ”と心身を引き締めて頑張れるような設計を意識した」と説明する。

関連記事

インタビュー特集

小川珈琲、バリスタ育成とコーヒー産地での活動に先駆的に取り組みブランド力向上 基盤強固に新事業を展開 宇田吉範社長CEOが意欲

9月1日から現職の宇田吉範代表取締役社長/CEOは、バリスタとコーヒー産地での活動に先駆的に取り組み、小川珈琲のブランド力を引き上げた立役者。

米国の認証機関として、米国輸出への総合支援に自信 認証だけでなく、企業の社会的信頼を高める仕組みづくりもサポート ペリージョンソン ホールディング(PJR) 審査登録機関

ペリージョンソン ホールディング(TEL03-5774-9510)は、ISO認証、ビジネスコンサルティング、教育・研修事業を通して顧客のサステナビリティ活動の普及に尽力。

国際的情報豊富な感覚で審査を展開 細分化したフードセクターに精通した審査員多数 SGSジャパン(SGS) 審査登録機関

SGSはスイス・ジュネーブに本拠を置き、試験・検査・認証機関としては世界最大級の規模である。世界115カ国以上に2500以上の事務所と試験所を有し、各産業分野における検査や試験、公的機関により定められた規格の認証などを行っている検査・検証・試験認証のリーディングカンパニーである。

キンレイ「鍋焼うどん」、さらにおいしく進化 自社工場でかつお節を削り出した理由とは 50年のこだわり脈々と

キンレイの冷凍具付き麺「お水がいらない」シリーズが販売好調だ。2010年に立ち上げ、昨24年までに累計2億食以上を販売している。

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。