ファミリーマートは6月2日から、カウンターコーヒ―ブランド「FAMIMA CAFÉ(ファミマカフェ)」に約7年ぶりとなる新型コーヒーマシンの導入を開始した。世界的なバリスタ・粕谷哲氏と共同で開発し、コンビニ業界で初めてコーヒー豆を挽き分けられる「挽き方調整グラインダ」を搭載。抽出機構も改良し、挽き豆から均一に抽出できるよう工夫した。
6月2日に導入した大阪・関西万博店、ムスブ田町店を皮切りに、全国約1万6千店舗で合計2万7千〜8千台を来年5月までに順次入れ替える。商品本部FF部副部長の鍵浦信氏は同日の発表会で「売上目標は導入前の二桁増」と話した。
ファミマカフェのドリップマシン導入は2018〜19年。バリスタ世界大会での優勝経験をもつ粕谷氏との共同開発は20年にスタートし、各種ブレンドの刷新など定期的なアップデートを継続してきた。24年には過去最高の売上を達成、共同開発の開始から累計販売数は17億杯を超えた。
今回の新型マシンは21年に構想をはじめ、4年をかけて完成したもの。「使う豆や飲む方の好みにあわせて挽き目を選び、すべての挽き豆から均一に抽出することを意識する」という粕谷氏のハンドドリップを再現するべく、豆の挽き目と抽出を改善した。
モータードライブを搭載した「挽き方調整グラインダ」をコンビニ業界で初めて導入し、1段階だけだった豆の挽き目を9段階に挽き分けられるように進化させて、メニューごとに最適な粒度設定を可能にした。
また均一な抽出を実現するため、抽出機構全体を改良。一口注湯から多数口のシャワー式注湯に変更したほか、チャンバ(抽出容器)をくびれのある形状からストレート型に変更し、従来比1・2倍の力を持つ攪拌用ポンプも搭載した。
コーヒーは「普通」「軽め」「濃いめ」、カフェラテは「レギュラー」「ミルクリッチ」「コーヒーリッチ」を用意し、提供メニューを従来の16品から34品へ倍以上に増やした。「リラックスやリフレッシュなど『オフ』での飲用ニーズが高まり、飲み方の多様化も進んでいる。平日から休日まで、様々なオケージョンに合うコーヒーを提供したい」(鍵浦氏)。操作部分をボタン式からタッチパネルに変え、提供時間の短縮も同時に図る。
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