日本植物油協会は5月20日、東京・経団連会館で通常総会を開催した。役員体制では新妻一彦副会長の後任として塚越英行・昭和産業社長を選任した。
総会後の懇親会であいさつした佐藤達也会長(J-オイルミルズ会長)は先般改正された食料・農業・農村基本法に触れ「米や麦、大豆、畜産物と並び、油脂類が国民生活に欠かせない特定食料に明記された。私ども植物油業界は食料安全保障の確保に極めて重要な役割を担っており、その責務をしっかりと果たしていく」と強調した。
そのうえで、「世界の人口増加に伴う食糧需要の増大、異常気象や地政学リスクの高まりによる需給のひっ迫、さらには米国の関税措置など、わが国の食品産業を取り巻く環境は厳しさを増している。植物油は原料の多くを輸入に依存しており、自由貿易による世界経済の安定した枠組みが極めて重要であると認識しており、関係国とのパートナーシップ構築による、安全・安心な植物油の安定供給に努めていく」と語った。
来賓の宮浦浩司・農林水産省大臣官房統括審議官は「世界的に原料の調達不安、生産力の低下が課題となってきている。関連業界と連携して食料の安定供給確保と合理的な価格形成に向けた食料システム構築を進める」と食品行政の方向性を共有した。
久野貴久副会長は「物価高であらゆるコストが上がっている。消費者に植物油の価値をしっかりと伝え、需要拡大につながる提案を続けていこう」と呼び掛けた。
披露パーティーには会員企業や関連団体の幹部が多数出席。春の叙勲で瑞宝小綬章を受章した齊藤昭・前専務理事も姿を見せ、御礼を述べた。
