6.4 C
Tokyo
5.1 C
Osaka
2025 / 12 / 28 日曜日
ログイン
English
トップニュース西日本スーパー 価格訴求で粗利率低下 顧客獲得とPB強化へ

西日本スーパー 価格訴求で粗利率低下 顧客獲得とPB強化へ

前2月期は西日本の多くのスーパーが客数増を狙い、価格訴求を強めた。一方、商品の値上げで仕入値は上昇しており、粗利益率は低下。全般的な価格の高騰で売上は軒並み前年を上回ったが、必ずしも客数増にはつながらず、粗利の減少、人件費を中心とするコスト増などにより減益となった。今期はアプリ対応やPBの投入などで顧客の獲得と利益改善を図り、各社とも増収増益を狙う。

平和堂は子育て世代の獲得へ向け、購買頻度の高い商品を中心に価格対応を強化した。結果、食品の売上は6.5%、客数は3.6%伸長。一方で価格訴求により食品の粗利益率は0.8ポイント低下した。平松正嗣社長は「売上を伸ばし粗利高を取ろうとしたが、いずれも期待値に及ばなかった」と振り返る。

オークワは日配品と農産品を中心に利益率を下げ価格訴求を行ったが、日配の売上は目標の5%増に対し2%増にとどまった。客数も0.5%減少。大桑弘嗣社長は「想定以上に利益率を落とし、売上も目標に届かなかった」と説明する。

イズミはランサムウェア被害の影響を受けた後、第2四半期から客数の回復を最優先課題とし、月間特売「全力応援値下げ」などを実施した。低価格帯の商品は二ケタ伸長したものの、食品の粗利率は0.7ポイント低下。客数も1.6%下がった。

フジはEDLPのアイテム数を増やした。関連商品の売上は約3.6倍に拡大し、食品の売上も1.6%増加。粗利益率も1.4ポイント改善したが、客数は0.6%減少した。

結果、オークワとイズミは連結・単体とも、平和堂は単体、フジは連結がいずれも増収減益となった。一方、リテールパートナーズは「競合を意識した無駄な安売りを抑えた」(田中康男社長)が、もともと「DS的なEDLP」(同)を行っている事業会社のマルキョウなどが客数を伸ばし増収増益につながった。ハローズも既存7店舗の大規模改装などで客数が増加。増収増益となった。

各社は今期、アプリの利便性向上による顧客の獲得や、PB拡充に伴う粗利改善に注力する。

オークワは子育て世代へ向け、アプリを活用したポイント付与やクーポンの発行を実施。「これまで囲い込めていなかった30~40代の獲得につなげたい」(大桑社長)としている。平和堂はアプリでチャージできる銀行を増やし、顧客の拡大を図っている。1月から三菱UFJ銀行と京都銀行が対象に加わり、重点エリアと位置付ける愛知や京阪神の利用者が増えた。

イズミとフジはPBを強化。イズミは9月から自社の新しいPBを投入する準備を進める。日配を中心に、30品目程度を想定。「将来的には食品の中の構成比10%を目指す」(山西大輔副社長)。

フジは引き続きEDLPとPBに注力。山口普社長は「節約志向が強まろうがそうでなかろうが、価格は正面から向かうべき課題。買い方の変化に加え、オペレーションの面からもEDLPにシフトすべき」との考えを示す。PBに関してはトップバリュの売上構成比を現在の8%から、26年度中に15%へ高める計画だ。こうした施策を進め、各社とも増収増益を狙う。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
西日本食品スーパー既存店客数と食品粗利率 2025年2月期

関連記事

インタビュー特集

小川珈琲、バリスタ育成とコーヒー産地での活動に先駆的に取り組みブランド力向上 基盤強固に新事業を展開 宇田吉範社長CEOが意欲

9月1日から現職の宇田吉範代表取締役社長/CEOは、バリスタとコーヒー産地での活動に先駆的に取り組み、小川珈琲のブランド力を引き上げた立役者。

米国の認証機関として、米国輸出への総合支援に自信 認証だけでなく、企業の社会的信頼を高める仕組みづくりもサポート ペリージョンソン ホールディング(PJR) 審査登録機関

ペリージョンソン ホールディング(TEL03-5774-9510)は、ISO認証、ビジネスコンサルティング、教育・研修事業を通して顧客のサステナビリティ活動の普及に尽力。

国際的情報豊富な感覚で審査を展開 細分化したフードセクターに精通した審査員多数 SGSジャパン(SGS) 審査登録機関

SGSはスイス・ジュネーブに本拠を置き、試験・検査・認証機関としては世界最大級の規模である。世界115カ国以上に2500以上の事務所と試験所を有し、各産業分野における検査や試験、公的機関により定められた規格の認証などを行っている検査・検証・試験認証のリーディングカンパニーである。

キンレイ「鍋焼うどん」、さらにおいしく進化 自社工場でかつお節を削り出した理由とは 50年のこだわり脈々と

キンレイの冷凍具付き麺「お水がいらない」シリーズが販売好調だ。2010年に立ち上げ、昨24年までに累計2億食以上を販売している。

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。