ニッスイは、3か年の中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」を始動させた。
最終2027年度の定量目標は売上高9700億円、営業利益410億円とした。まずは先行き不透明な外部環境の変化に対応すべく、世界にまたがるバリューチェーンの強靭化を推進しながら、「海外事業の成長」「養殖事業の高度化」「ファインケミカル事業の再成長」による事業ポートフォリオの強化などを図る。
同社は長期ビジョン「GOOD FOODS 2030」のありたい姿として“人にも地球にもやさしい食を世界にお届けするリーディングカンパニー”を掲げる。最終30年度に売上高1兆円以上、営業利益500億円以上、ROIC7%以上、時価総額5500億円、海外所在地売上高比率50%などを達成し世界の食品メーカー(酒類・飲料など除く)でトップ50入りを目指している。
22~24年度の「Recipe1」では売上高、利益とも当初目標を達成見込み。環境・社会・人財をキーワードにしたKPIは一部未達ながら、30年度に向け着実に前進した。
「Recipe2」は昨年見直したマテリアリティ(重要課題)を踏まえ、基本戦略を「事業ポートフォリオ強化」「サステナビリティ経営の深化」「ガバナンス強化」に設定。「価値創造力強化」「持続可能性強化」「リスク対応力強化」「人財力強化」をテーマに、バリューチェーンの強靭化を目指す。
最終27年度のKPIは売上高9700億円(24年度8800億円)、うち海外比率43%(同40%)、営業利益410億円(同325億円)。売上は食品事業、利益は水産事業とファインケミカル事業への期待が大きい。
食品は海外における水産フライのNo.1をより圧倒的なものにしながら、北米のアジアンフードや欧州のタパス商品など第2の柱も育成する。国内はチルドの商品開発力を生かした食卓向け冷凍食品、健康志向に応える「速筋タンパク」「減塩」商品の拡充などに取り組む。水産は海外サーモン、黒瀬ぶりなど養殖事業に伴うグローバル販売の拡大を推進。ファインケミカルは医薬品原料を再拡大しながら、機能性原料の競争力も強化する。
3か年の投資総額は1500億円を計画。うち7割超の1100億円を成長投資に振り向け、北米・欧州で水産フライの増産、国内食品工場の再構築、ブリ・サーモンの養殖拡大に向けた種苗生産設備の増強、重点領域のM&Aなどを予定する。
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