「日本人だけでなく、世界にだしの素晴らしさを情報発信したい」。ウィルビー(愛媛県伊予市)の髙橋泰征代表は、だしの可能性に自信をみなぎらせる。
だしの国内需要は、コロナ期の巣ごもりや日本食のユネスコ登録を契機に市場が拡大中で、ECルートではメーカーが百花繚乱となっている。同社は“やすまる“ブランドで知られる和風万能だしメーカー。 基幹ブランド「やすまる」は17品を品揃え、液体調味料、即席めんなど派生商品も多彩。食塩、保存料、甘味料不使用のだしを離乳食の出汁として提案した「赤ちゃんだし」など、ニーズに対応した商品開発力を強みに強い存在感を発揮している。
髙橋代表が04年に会社を設立(髙橋商店、09年から現社名)して以降、同社の業績は21期(内法人化してから15期)連続で増収増益を継続中。今秋には生産拠点の統合および生産ラインの増強を計画しており、生産能力を6倍にする予定だ。メーカー事業に加え学生食堂・学食事業(私立新田高校、愛媛県松山市)、病院食堂事業(国立病院愛媛医療センター)、外食事業も展開している。

同社を特徴づけるのは障がい者の就労支援活動。会社設立と同時に「NPO法人後方支援センター」を立ち上げており、現在、社員176名のうち96名を雇用している。各人の得意分野にあわせ「製造、物流、飲食、流通製造、広告など多岐にわたる分野で活躍」しており、現在では愛媛県内をはじめ各地域の特別支援学校から卒業生の就職先の一つとして認知されるようになった。
事業成長がそのまま社会貢献に繋がる好事例だ。髙橋代表は現在中長期計画で年商100億円の目標を打ち出している。計画では8年後に目標に到達する見込みだ。
目標達成に向けては「従来の空中戦(EC販売)に加え、地上戦(量販店)での売場拡大が必須。地元行政の後押しを得て海外での販路拡大にも取り組む。髙橋代表は「攻めの事業展開で成長できたが守りも重要。バランス感をもって“やすまる“を更に浸透させたい」としている。
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