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広がる「チル酒」 日本アクセス、強みの低温物流で市場創造 酒類では後発 ポジション逆手に挑戦

強みの低温物流機能を生かした、日本アクセスの酒類ブランド「チル酒」が注目されている。これまで全国の消費者に届けることができなかった、蔵元でしか飲めないフレッシュなお酒の流通をチルド温度帯の物流で実現。さらには日本酒にとどまらず、ワインやリキュール、クラフトビールなど商品の幅も拡大中だ。若者を中心に、酒類の新たなユーザーやシーンの開拓が進む。

「チル酒」は2023年、同社が取り扱うチルド酒類を集約したブランドとして発足。その後はオリジナル商品も拡充しながら、主にスーパーの酒売場の冷蔵ケースにじわじわと浸透している。

「日本酒の市場縮小が続くなかで新しい取り組みとして注目され、採用企業数は右肩上がり。若い方や女性に飲んでいただく機会が増えている」。酒類MD部の甘利有史課長が説明する。

「Chill Out(チルアウト=のんびりと時間を楽しむ)」「チルド温度帯のお酒」という2つの意味が込められた「チル酒」のコンセプトは、アルコール離れが言われる今の世代の感覚にもマッチ。

「冷蔵ケースに並んでいることも、若い人の目に留まるポイントの一つ」と語るのは、同部販売促進課の福島芙実子氏。

「お酒の売場に足を踏み入れるハードルが高い、スーパーでいいお酒が買えるイメージがない、という人は多いが、冷蔵ケースに入っていることで“ちょっといいお酒”であることが伝わる」。

フルライン卸としてのポジションを生かし、店舗全体の売上アップに貢献できるメリットも大きい。

展示会でも注目を集めた(春季フードコンベンション2025)
展示会でも注目を集めた(春季フードコンベンション2025)

「お酒を購入されるお客様は、同時にお肉やお魚などの生鮮品を購入する頻度も高く、『今日はこのチル酒に合うお刺身を』など、いつもよりちょっといい食材の購入を促し、売場全体の売上につながるペアリング提案なども今後考えていきたい」(同部・俵積田秀剛部長)。

日本アクセスといえば低温物流。歴史が浅い酒類事業としてはまだイメージが希薄だが、これを逆手に取ったしがらみにとらわれない発想や、強みの低温を生かした挑戦で存在感を高めるとしている。

「酒類事業は後発なので、アクセスならではの機能で新しい市場を創造するお手伝いができれば。『チル酒といえばアクセス』が定着してきた。市場にないチャレンジングな商品の開発も考えている」(同部部長代行・長崎邦泰氏)。

今春には「今日、チル酒しよ」をキーワードに、POPなどのビジュアルを刷新し、のんびりしたい夜などにお酒を飲む=チル酒する、というシーンを印象付ける狙いだ。

インスタグラムでの動画発信などSNSでの拡散を通じ、未来の顧客層である次世代へのアプローチを強める。

近年の清酒業界では瓶不足が課題となるのも背景に、昨年にはチルド日本酒缶を発売。飲み切りサイズの180㎖缶で、微発泡の純米にごり酒、純米吟醸生原酒の2品を揃える。

「噛むお酒」シリーズ
「噛むお酒」シリーズ

さらに今年1月には、果肉がゴロゴロ入った贅沢なリキュール「噛むお酒」シリーズとして、キウイ・パイン・いちごの3品を発売。若年層・次世代が重視するフレッシュ感と贅沢感を感じられる商品だ。炭酸割やロックなどの飲み方のほか、アイスクリームにかけて楽しむといった提案も行う。

独特のポジションを生かした取り組みは、酒類業界の売場の活性化に果たす役割も大きい。

「高付加価値のお酒を『チル酒』として提案することで、価格がある程度高くても買っていただける。酒蔵をはじめメーカー、モノを運ぶ私たち、そして小売店、消費者、すべてにプラスがあると考えている」(同部・酒類課長甘利氏)。

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