ニッスイグループ 養殖事業拡大へブリ加工設備を増強

ニッスイは養殖事業を拡大するため、グループでブリの養殖を手がける黒瀬水産(宮崎県串間市)で加工場の能力を増強、2月から稼働した。今後は多様な業態への展開を視野にブリ類の加工品を増産し、外食など業務用ルートの開拓を推進、国内外で拡販する。

同社は年間を通じて脂がのった完全養殖の「黒瀬ぶり」を生産し、国内ではチルド出荷の生鮮品「活じめ黒瀬ぶり」を量販店鮮魚売場・鮮魚小売などに、海外向けには冷凍品としてヨーロッパなどに販売している。

23年6月にブリ・カンパチを養殖していた旧さつま水産を吸収合併し、漁場や養殖尾数枠を確保していたが、加工能力拡充が課題となっていた。

このほど既存の加工場を増改築して新規設備を導入。今後主力とする生鮮ブリのスキンレスフィレ(皮をとった三枚おろし)やロイン(四つ割り)の加工を機械化・ライン化して高度加工品の加工能力を高めた。さらにフィレラインを1ライン増設し、年間加工能力が約3割アップした。

ニッスイグループは長期ビジョン「Good Foods 2030」において、養殖事業の目標として最終30年度に売上高1000億円・営業利益100億円を掲げる。うちブリ類(黒瀬ぶり・天之瀬ぶり・カンパチなど)は現状約1万tから30年に約1万6000tを展望。「黒瀬ぶり」は年間300万尾出荷する体制の構築を目指している。

株式会社アピ 植物性素材