手延そうめん業界の春を告げる恒例の「卜定祭」が2月5日、奈良県桜井市の三輪明神大神神社にて催された。主催者の三輪そうめん関係者ほか、兵庫県や小豆島、淡路島など全国の産地代表者が集まり、商戦盛況を祈願。その後の直会では主催者や来賓があいさつに立ち、意気込みや、業界発展のための協力を呼びかけた。
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小西幸夫・奈良県三輪素麺工業協同組合理事長
手延べそうめんを取り巻く環境は厳しいが、組合と販売協議会が一体となり、県と市、地銀の協力をいただきながら、業界発展に勤しんでいる。最近は桜井市の支援で商工会に、にゅうめん市場拡大にも力を入れてもらっている。卜定祭は「高値」だったが、この厳しい時期だからこそ神託を励みに、いっそう努力する。品質向上や市場開拓、製造数の減少、組合員の減少などへの対応、事業継承などへの問題へ取り組みたい。
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井上猛・日本手延素麺協同組合連合会会長(兵庫県手延素麺協同組合理事長)
この数年間マーケットはそうめんを減らそうとしている。なぜかと言うと、小売業でも人手不足が深刻でなかなか店舗管理ができず、通年的に売れる商品を並べる傾向にあるから。われわれはそのなかで、いかに興味を持ってもらえるような展開をするかが大切。価値を高め、価値ある商品をより多くの人に知ってもらう努力を、業界をあげてやる必要がある。
池田利一・奈良県三輪素麺販売協議会会長(池利会長)
昨年に「揖保乃糸」が、地理的表示保護制度(GI)を取得されたことをお祝い申し上げたい。三輪そうめんは平成28年に先行して取得したが、取得の過程で関係者が一つにまとまったことは大きな成果。いまわれわれはコスト高騰による値上げや少子高齢化による生産減という課題が山積するが、一丸となって取り組む。全国的に生産者が減るなかで品質向上は大切。おいしい、高品質なものを作り、業界発展に寄与したい。
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