板橋区立赤塚小学校5年生は1月16日、招かれた湖池屋社員に地元・板橋区の農産物で考案したオリジナルレシピを発表した。
発表会は、総合的な学習の時間の一環として実施された。
取材に応じた柏原健人主任教諭は「地域の農業を広めるという大きなテーマがある。農作物の育て方を教わり、収穫・調理する中で、地元企業の湖池屋さまから地産地消や企業努力のお話を聞かせていただき、地域の農業を広めることを考えてもらうようにした」と語る。
児童の発表は、湖池屋が昨年12月3日に同校で実施した出前授業の内容を受けたもの。
発表会の旗振り役を務める南野秀人教諭は、出前授業とプレゼン機会の提供という二部構成で湖池屋に協力を要請した。
これを受け湖池屋は、板橋区成増に本社を構える企業として、地域貢献活動の一環で協力した。
「出前授業だけではお話を聞きメモすることに留まり、その後につながりにくい。プレゼンの機会もいただけると、テーマを深められるほか、取り組む姿勢について学べて成長につながると考えた」と南野教諭は述べる。

出前授業では、湖池屋が取り組んでいる地域活性・地域貢献につながる商品・企画などについて社史とともに紹介し、最後に“板橋区の農産物を広めるには?”といった趣旨の疑問を投げかけた。
板橋区は東京23区の中でも都市農業が行われている地域として知られる。出前授業を受け、約1か月間、冬休みを挟みつつ、児童は、地域の野菜や自ら育てた野菜を活用し、地域活性・地域貢献につながるレシピを考案した。
「考案にすごく時間をかけたわけではないが、自主的な動きが多くみられた」(南野教諭)と振り返る。

発表会は、5年生3クラス(約100人)が体育館に一堂に会し、クラスごとにプレゼン用のモニターを設置して同時進行で行われた。
講評をつとめたのは、湖池屋マーケティング本部広報部の小幡和哉さん、伊藤恭佑さん、村上愛理さん。手分けをして各クラスを担当した。
発表はパワーポイントで行われ、板橋区産や赤塚産を銘打つ、じゃがいも、大根、枝豆、夏みかん、ぶどうなどを使った多彩なレシピが実際の調理画像を織り交ぜて披露された。
レシピに込められた思いやストーリーを高く評価したのは小幡さん。「ネットで調べただけではなく、体験に根差して、なぜこのようなレシピを考えるに至ったかという言葉が多くの方から出てきたのが素晴らしい」と語る。
単においしいだけではなく、家族の団らんも意図したレシピも発表された。これを受け、伊藤さんは「この組みをきっかけに、地元や家族との絆が深まるようになれば素敵だと思う」と期待を寄せる。

一方、村上さんは「子ども向けだけではなく、大人向けのレシピも考えて下さり家族みんなで楽しめるレシピになっているのがよかった。届ける相手が誰で、その人がどんな思いや課題を抱えていて、どのような工夫をして届けたいかがしっかり考えられていた」と評する。
レシピの中には、板橋区がイタリアのボローニャ市と「友好都市交流協定」を締結したことを開発の背景に盛り込んだピザトーストも見受けられた。
赤塚小学校では、今回考案されたレシピをレシピ集としてまとめることを検討していく。
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