14.2 C
Tokyo
13.1 C
Osaka
2025 / 11 / 01 土曜日
English
流通・飲食“かくし味”で差別化を 業務・市販、両方に有効 中村角
〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

“かくし味”で差別化を 業務・市販、両方に有効 中村角

中村角は1月29、30の両日、広島市中小企業会館で「食品総合展示会2025春夏」を開いた。昨年を21社上回る211社が出展、得意先200社・600人を招いた。

全部門が共同で展開する総合提案のテーマは「かくし味」。例えば、焼魚に炭酸水を加えると臭みが抑えられ、ふっくらとした食感になる。カレーに濃い口醤油を入れると、香ばしくなりご飯がすすむという。かくし味を加える前後で比較ができるよう、試食を行った。

「飲食店でもスーパーの惣菜でも、差別化が求められている。新しいメニューの開発には時間がかかるが、現行のものに少し手を加えるだけで違いを打ち出せる」(営業企画部)と説明する。さらに、スーパーの売場では使用する商材を関連販売することで、買上点数のアップも期待できる。

毎回、多くの地域メーカーがイチ押しの商品を紹介する「地域の逸品」。いとふ(京都府)は焼いた生麩を試食提供した。餅のように煮溶けすることがないので、おでんなどに使いやすいのが特徴。「冷蔵で45日間日持ちする。味噌付きでも購入しやすい価格設定(参考価格348円)にした」とアピールしていた。

業務用食品部は「8つのお困りごと ズバッと解決」として、ユーザーの抱える様々な課題に応じた解決策を示した。マンネリ化に悩むホテルのバイキングに向けては、1つの商品を使い3つのメニューを提案。幼稚園や保育園に対しては食物アレルギーに対応したおやつ、朝食、パン、和食の献立をそれぞれ並べた。

常温食品部は、26年から国の指定野菜となるブロッコリーを使ったメニューを用意。厚揚げのおひたし(ヤマキ)、たこのマリネ(オタフクソース)などを調味料メーカーと一緒になって提供した。

中村一朗社長の話

総合提案の「かくし味」は、一般消費者にも業務用ユーザーにも提案できる内容としている。ひと手間かけることで差別化が図られ、スーパーでは販促にもつながる。今期12月までの売上高は前年比104%。業務用のデリカが苦戦する一方、日配が好調で牽引している。今3月期も同様のペースでの着地を見込む。

来期は引き続き受発注のデジタル化、仕分けの機械化を推進し、効率化を進め人手不足に対応する。営業においては当たり前のことだが、付加価値の高い提案を行う。得意先が価格対応に苦慮する中、手間を減らすことでコストを抑えたり、価格を下げるかわりに別の商品を紹介したりと、われわれの提案力をより強化したい。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点