6.6 C
Tokyo
6.9 C
Osaka
2025 / 12 / 15 月曜日
ログイン
English
加工食品即席麺・即席食品日清食品 安藤徳隆社長 “食のWell-being習慣”を 「冷凍 完全メシ」提案強化

日清食品 安藤徳隆社長 “食のWell-being習慣”を 「冷凍 完全メシ」提案強化

「2025年は『完全メシ』ブランドを中心とした最適化栄養食の展開を含め“食のWell-being(ウェルビーイング)習慣”を積極的に普及していきたい」と話すのは日清食品の安藤徳隆社長。「インスタントフードをもっと便利に、もっと健康的にしていくことを目指す」と力を込める。市販品では、今年は常温食品(カップ麺、カップライス、スムージー等)に加え、冷凍食品もメニューの拡充と売場提案を加速させる。

「完全メシ」は「日本人の食事摂取基準」で設定された33種類の栄養素とおいしさの完全なバランスを追求したブランド。同社のフードテクノロジーにより、三大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)をはじめビタミン、ミネラル、必須脂肪酸などがバランス良く整えられ、さらに普段の食事と変わらないおいしさも実現している。22年5月末に発売を開始し、売上は24年度70億円、25年度100億円を計画。

このほど開いた25年方針説明会において、安藤社長は「冷凍 完全メシ」シリーズのラインアップ強化について語った。現状、スーパー等では「お好み焼」「ボロネーゼ」「汁なし担々麺」の3メニューを販売しているが、「開発段階ではすでに多くのメニューの“完全メシ化”が終わっている状況」と説明。

「オンラインストア(EC)では『冷凍 完全メシ DELI』としてかつ丼、カレーライス、親子丼、ピザ、炒飯、カレーうどん、ビビンバ、肉まんなど28品(25年1月時点)を展開。24年度の売上は10億円を超える想定で、数年以内に40億円規模への成長を見込む。今後はECの人気メニューを一般ルートで商品化していく」との方針。

その上で、「『冷凍 完全メシ』のラインアップ拡充にあわせ、冷凍食品売場に『ヘルス・ウェルネス専用』のコーナーを提案していきたい」と意気込む。「直近は他社からも減塩や高たんぱく質の冷凍食品が増えている。それらも含め、スーパー等でヘルス・ウェルネス関連の製品を集合陳列すれば、健康を気遣う消費者の食生活に貢献できるのではないか」と話す。

常温食品では「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」などが売れ筋。昨年秋に発売した「同カップヌードル 汁なしシーフードヌードル」もヒットした。25年もロングセラーブランドを生かした新商品や、麺類にとどまらない製品化を検討中。

足元の課題には「『完全メシ』に限った話ではない」と前置きしながらも、原材料費をはじめとしたコスト上昇を挙げる。現状、「完全メシ」は同種の既存品に比べると高価格帯に属する製品だが、「近い将来には買い求めやすい価格を実現したい」と展望。「一般的なインスタントフードに比べてより多くの原材料を使用しているので難しさはあるが、川上の調達から川下の供給までコスト競争力をどう磨いていけるかが課題」とした。

関連記事

インタビュー特集

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。