三島食品の前12月期は家庭用が牽引し、売上高は過去最高の173億円(前年比108.8%)で着地した。
昨年春に発売したわさびが主原料の「しげき」が予想を大きく上回るヒット商品となり、初年度の売上は計画の3倍を上回る4億円弱を見通す。末貞操社長は「単に辛いだけでなく、次第にうま味が感じられるように開発した。その点が評価されたのでは」とみる。
主力の「ゆかり」をはじめとする“名前”シリーズの商品は、これまでも新商品が加わると既存品も大陳やエンドで展開され、売上が底上げされた。「しげき」でも同様の傾向が見られた。
もう一つ牽引役となったのが、一昨年発売した「鮭ひろし」だ。広島菜を使った「ひろし」の第2弾で商品名が「人のフルネームのようだ」と話題を集め、発売から4か月で1億円を達成。初年度4億円を超えた。
そして今回、第3弾の「だし ひろし」(希望小売価格130円・税抜)を発売する。「塩味の『ひろし』に対し、新製品はかつおと昆布のうま味をきかせた。和え物などにも広く使える」と末貞社長。
初代「ひろし」は、漬物の広島菜を全国ブランドにしようという思いから発売した商品だが、現在では観光大使や、広島市の「ザ・広島ブランド」に認定されるなど役目を果たしている。
新商品の販売目標は2万4000ケース、1億3000万円(出荷ベース)。シリーズの強化で、広島菜のさらなる活性化も期待される。