日本紅茶協会は15日、東京・港区海岸のインターコンチネンタルホテル東京ベイで、関係者約100名を招いて新年会を開催し、交流を深めた。会員、賛助会員、関係官庁のほか、特別会員として紅茶生産国からインド大使館やスリランカ大使館、トルコ大使館の代表も出席した。
開催に先立ち片岡謙治会長は、「インターナショナル・ティー・コミティー(ITC)の統計では、2024年の世界の主要国の生産量はケニヤは増加、インドは堅調、スリランカは前年並みで推移し、世界全体では微減か前年並みの見通しだ。国内市場はリーフは前年比100%、ティーバッグ101%、インスタント98%で推移し、紅茶全体では100・5%だった。トピックスとしては夏場が暑かったため水出し紅茶やアイスティーの需要が好調。健康志向やリラックス効果を求めるフレーバーティーやハーブティー、カフェインレス紅茶も伸長した」と内外の状況を説明。協会活動とし「紅茶の日」イベント・セミナーや、ティーインストラクター・ティーアドバイザー協力によるこども食堂でのミルクティーの提供、大学学園祭における紅茶サークルへのサポートなどの取り組みを紹介。「今後も若年層を含めた活動を積極的に推進して行く」など挨拶した。
来賓を代表して農水省農産局果樹・茶グループの羽石洋平グループ長は、輸出やインバウンドで需要が伸びている抹茶について触れ、「2024年の緑茶の年間輸出額は、目標を1年前倒しして300億円を突破し、英国など欧州への抹茶の輸出が牽引した」とし、優しい香りやほんのりした甘さが特徴の「和紅茶」の魅力発信にも力をいると語った。
柴田裕副会長は乾杯の発声で、大阪・関西万博等を通して「日本の紅茶文化、喫茶文化を世界に発信すると共に、何らかの形で業界活動が日本・世界の平和及び友愛の一助になることを願う」とし、中締めで佐伯光則副会長は、「昨年は紅茶の生産量や輸入量が回復し、アイスティーの拡大など明るい話題が多かった。こうした気分を社に持ち帰り、是非とも需要喚起につなげてほしい」と挨拶した。