第57回「大阪食品業界新春名刺交換会」(大春会)が1月7日、大阪市中央区のマイドームおおさかで開催された。関西食品界の新年の幕開けを告げる最初の催しとして半世紀以上にわたって続いている会で、岡本均日本加工食品卸協会近畿支部長(伊藤忠食品社長)は「将来にわたって成長するスタートになる1年にしよう」と各位に促した。特に関西地区は大阪・関西万博を控えており、各位から万博への期待の声が上がった。
大春会の主催は大阪府食品卸同業会、日本加工食品卸協会、本紙食品新聞社の3団体・社。まずは山口貢本紙社長が開会あいさつ。続いて岡本支部長が「日本経済において株価は順調だが、肌感は株価ほど順調ではない。顧客の販売動向・動機が見えづらい状況下、さらに自然災害や人手不足など種々の問題もあり、24年物流問題は昨年が始まりでこれからが問題。業種業態を超えた競争はさらに激化し、M&Aなど業界の再編や合従連衡は頻繁に行われる時代である。ただ、われわれ食品界は変化対応業。変化は悪いことばかりではなく、今まで培ってきたノウハウや先を見据えた知恵などを駆使し、将来にわたって成長するスタートになる1年になればと強く思う。皆さんとともに良い年にしていきたい」と力強く語った。
乾杯の音頭を取った渡辺英樹日清食品大阪支店長は、万博について「このビッグチャンスをビジネスにつなげていきたい。そのためにわれわれが今出来ることは2つある。1つ目は、一人でも多くの方に関西地区に来ていただく。そのためにもっと認知度を上げていく。2つ目は、開催以降、関西を訪れた多くの方に、魅力や“おもろさ”をいかに世界に発信していけるかがわれわれのミッションだと思う。企業の垣根を越えてコラボレーションを起こしていこう」と促し、杯を掲げた。(写真下本文続く)
中締めは緒方学大阪府食品卸同業会会長(伊藤忠食品執行役員西日本営業本部長)が「混迷を極める関西流通市場と言われるが、同業会会員各社で勉強会など各種活動に取り組むなど、生き残りを図ってきた。一方で今年は万博がある。その後にもつながるよう取り組んでいきたい」と語り、一本で締めた。参加者は150社390人。
食品新聞社・山口貢社長のあいさつ
今年の大阪・関西万博は、食品界として期待したい。ただ、社会背景は団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、企業は人手不足など様々な課題もある。それでもわれわれは、これまで幾度もピンチを乗り越え、チャンスに変えてきた。今年も食品の各業界で協業等もあるが、力を合わせてより良い食品界を目指していきたい。
食品新聞も、各社の取り組みなどを電子媒体含めて発信し、後押ししていく。