12.8 C
Tokyo
11.8 C
Osaka
2025 / 11 / 19 水曜日
English
飲料嗜好飲料トルコ紅茶 本格的上陸へ 外交100周年、共通の茶文化土壌
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

トルコ紅茶 本格的上陸へ 外交100周年、共通の茶文化土壌

トルコが本格的に日本への紅茶の輸出に乗り出す。同国の1人当たりの平均飲用杯数は1日約5杯と言われ、紅茶消費量が世界トップであることはあまり知られてない。年間生産量は約27万5000tに達するが、大部分が国内で消費され、日本への輸出も僅か。お茶を好む土壌の日本市場へのアプローチを開始する。

2024年はトルコの紅茶文化100周年と日・トルコ外交関係樹立100周年の節目の年にあたる。そこでトルコの輸出組合で構成するイースタン・ブラック・シー・エクスポーターズ・アソシエーション(DKİB、仮称・東黒海輸出企業協会)は、このほど日本の紅茶専門家や愛好家に対して、トルコ紅茶の伝統や文化的意義、魅力などを紹介。現地の3人のターキッシュティーマスターの指導により伝統的なダブルティーポットを使った淹れ方や、チューリップ型のグラスでの提供など基本的な技術を指導。日本紅茶協会もイベントに協力した。

トルコ、特に東黒海地域の紅茶産業は、100年にわたって成長を続け、独自の風味と伝統を持つ世界有数の生産地となっている。紅茶文化はターキッシュティーと呼ばれ、単なる飲み物にとどまらずトルコ社会と文化において特別な存在となっている。ターキッシュティーは、2022年には「トルコの紅茶文化:アイデンティティ、おもてなし、社会的交流の象徴」としてユネスコ無形文化遺産リストに登録され、その価値が認知された。

トルコ紅茶は、主に東黒海沿岸のリゼ県で生産され、独特の深い風味と香りを持ち、濃厚でありながら爽やかな味わいが特徴。茶葉は摘み取りから乾燥、発酵、焙煎の過程を経て、高品質な紅茶が作られる。家庭用(ティーバッグ・リーフ)、フードサービス用としてホットでもアイスでも飲用され、飲む際には、「インセベリ」と呼ばれるチューリップ型のガラスに注いで飲まれる。

熱心に講義を聞く受講者
熱心に講義を聞く受講者

イベントに際してサーバン・トゥルグッド(Saban TURGUT)協会副会長は「日本には緑茶を好む文化があり、歴史や入れ方にも高度な技術がある」と認識し、「お茶を好む土壌の日本にトルコ紅茶を紹介するため、今回のイベントで第一歩を踏み出した。茶文化を育む日本だけに、時間をかけて日本市場で展開したい」と語った。

また、ザフェル・エルテム(Zafer ERTEM)協会プロジェクトマネージャーは、「6ヶ月ほど前から準備してきたが、受講者の真剣な姿を見てうれしく思う」とし、ティーマスターのハサン・オンデル(Hasan ONDER)氏は、「イベントは紅茶市場の活性化を目指し、紅茶の良さを幅広く知ってもらい、消費を高めてゆくことが目的だ。紅茶は単なる飲み物ではなく、人と人との結びつきを強める飲み物だ。互いにお茶文化を有する日本とトルコが協力し、紅茶の消費量及び紅茶への関心を高めたい」と語った。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点