チョコレート高騰の主要因は「カカオショック」と呼ばれる世界的なカカオ不足にある。日本の主要メーカーが最も頼りにしているのはガーナ共和国のカカオ豆。そのガーナの不作が痛手となっている。
▼ガーナの不作の要因は異常気象や病害発生によるものに加えて、2022年12月にガーナがデフォルトに陥って以降、依然として資金が潤沢ではない状況が続いていることにある。農協の役割を果たす政府機関「COCOBOD(ココボード)」が十分に機能せず、農家への支援が行き届かない状況にあるという。
▼コートジボワールにはCOCOBODのような政府機関が存在せず、日本がガーナに大きな信頼を寄せているのはCOCOBODの役割が大きい。COCOBODが生産者との橋渡し役を務め品質と価格が安定していたという。
▼日本ではここ最近、フルーツジュースなど加工用国産りんごの調達が困難になってきていると聞く。海外の需要増に円安が拍車をかけていることが原因という。農協を通じて国内流通させるよりも、商社を通じて海外で販売したほうが儲かるのだとか。原料調達環境は輸入品・国産品の双方で不安定化してきていると言える。