ロッテは、同社調査によって浮き彫りになった職場での労り不足を受け、板チョコレートに労りの要素を盛り込んだ「労(いた)チョコ」を新提案した。
11月23日の「勤労感謝の日」に先駆けて、本社(東京都新宿区)とロッテ中央研究所(埼玉県さいたま市)では11月18日から22日までの期間、社員らが「ガーナミルク」を渡し合う「労(いた)チョコ配布イベント」を実施した。
期間中、「ガーナミルク」と熨斗のセットを本社に2400枚、ロッテ中央研究所に500枚を食堂などの特定の場所に用意。
熨斗にメッセージを書き込み、その熨斗を巻き付けた「ガーナミルク」を手渡して同僚・上司・部下に感謝を伝えることを促進した。
「労チョコ」企画の旗振り役を務める中村準マーケティング本部第一ブランド戦略部チョコレート企画課課長は18日、本社で取材に応じ「社内で会話が生まれ、明るい雰囲気になったという兆しが少しでもあれば2、3年と続けていきたい。売れ行きよりも誰かの幸せにつながる企画にしたい」と力を込める。
中村氏は、顧客から寄せられた声などから、チョコレートが嗜好品ではなく必需品であることを実感する。
「“就活が上手くいかなくて悩んでいたけど(チョコを食べて)すごく幸せな気持ちになれた”“気持ちを癒すための本当に代えの効かないお菓子”といったお声を多くいただき、チョコをシェアし合うことで、このような気持ちになりやすくなるのかもしれない」と述べる。
チョコレートの贈答には感謝を伝えやすくする作用が働くとの見方も示す。
「チョコレートが、気持ちを伝えるきっかけになれればいい。言葉だけ贈るというのは照れもあって意外と難しい。『母の日』などにチョコレートが凄くいいのは、チョコレートに気持ちをのせて伝えられるため」と語る。
今回の取り組みを契機に、「勤労感謝の日」が新たなチョコレートの贈答機会に発展する可能性がある。
「もちろんチョコレートを贈って会社が活性化するのがいいと思う。チョコレートを介していただけると事業者としては一番嬉しいが、チョコレートを介さなくても日々“ありがとう”とか“助かる”という言葉が出てくるようになれば、それはそれで嬉しい」と述べる。
ロッテが10月18日から22日にかけて、社員2人以上の職場で働く20~50代の男女400人を対象に実施した「ロッテちょこっと幸せ研究所」の調査によると、勤労感謝の日に感謝の言葉を伝えるなど意識して行動している人は1割程度であることが判明した。
職場に関する設問では、一週間以内に労いの言葉をかけられた人の割合は3割未満、2人1人が日常的に労いの言葉が不足していると感じていることが明らかになった。