10.5 C
Tokyo
10 C
Osaka
2025 / 12 / 10 水曜日
ログイン
English
流通・飲食三菱食品 国内外で成長戦略加速 物流分社化で機能強化 京谷社長が方針

三菱食品 国内外で成長戦略加速 物流分社化で機能強化 京谷社長が方針

三菱食品の京谷裕社長は7日の第2四半期決算会見で、今期からスタートした中期経営計画「MS Vision2030」に沿って、成長戦略の取り組みを加速させる方針を示した。

同社の第2四半期連結決算は売上高1兆593億円(前年同期比1.1%増)、経常利益144億円(1.7%減)。売上高はCVSやディスカウント向けの取引が堅調、利益面では海外関連会社の一過性損失で経常微減となったが「(4期連続の最高益更新へ)計画通り順調に推移している」(京谷社長)とした。

中期計画「MS Vision2030」で掲げた成長戦略の取り組みでは、8月から基幹システム(MILAI)の刷新プロジェクトがスタート。3年間で約100億円を投じてクラウド化を進め、業務の効率化と高度化を実現するとともに、生成AIや機械学習の活用も含め、デジタル基盤強化を加速させる。

物流事業の強化では、ベスト・ロジスティクス・パートナーズ(BLP)を設立。来年4月の物流事業の分社化について、京谷社長は「これまで以上にスピード感を持って物流機能を強化していくため」と説明。従来の食品の枠を超えた消費財デマンドチェーンの創出に向けて、同業他社や非食品分野との協業も視野にサステナブルSCM構築に意欲を示した。

海外事業では、パートナー企業との協業を推進。米国では、イートアンドホールディングスと合弁会社を設立し、現地での外食事業に参画。来春には米国西海岸に1号店のオープンを予定しており、2030年までに二ケタ規模の出店を目指す。

欧州では、現地で日本食材の卸事業や小売・外食事業を展開する英国JFE社に出資。欧州は米国と並ぶ重要市場と位置づけ、現地に経営人材を派遣。国内メーカーの輸出支援など、「プレミアム市場である欧米市場での販路拡大を進める」とした。

また、7日の米国大統領選の結果を踏まえ、「ドル高・円安が予想され、国内の食品産業は一定の影響が避けられない」との見方を示したうえで、「コストプッシュ型の値上げと節約志向の高まりによる消費の二極化が進み、下期も先行き不透明な局面が予想される。国内外の事業環境の変化に注視していく」と語った。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。