ギフト市場は通年で見ると伸長しているが、中元・歳暮のシーズンギフトは縮小傾向が続いている。そのシーズンギフトでも、大手ハム各社が強化する高価格帯商品は伸長しており、23年の歳暮ハムギフトの販売平均単価はわずかだがプラスとなった。現在、今冬の歳暮商戦がスタートしている。各社1万円以上の商品などを含め、価値を高めた高価格帯商品に力を入れている。
大手ハムメーカーの調査によると、23年のギフト市場全体は前年比2.7%増の10兆8190億円。24年の予測も1.7%増の11兆円強で、牽引しているのが記念日需要の個人カジュアルギフトなどだ。一方、ギフト市場全体の1割強を占める中元・歳暮市場は、企業の虚礼廃止の動きも重なり年々縮小傾向にあるのが実情だ。
ただ、コロナ禍から「特別な相手には特別な商品を贈りたい」ニーズがさらに高まり、特に日頃の売場では売っていないハムギフトは特別感も高く、アフターコロナとなった今も、各社が高価格帯と位置付ける6000円以上の商品が好調。
価格帯別では、3000円、4000円、5000円の商品が市場に多く、このボリュームゾーンの販売は減少傾向だが、6000円以上の商品は構成比は低いものの伸長しており、1万円以上のハムギフトも順調だ。これにより、販売単価は高単価商品が全体を牽引し、一部のデータではハムギフトの23年歳暮期平均単価は4237円と22年歳暮比で18円増加した。
コロナ禍を経て、現在の物価高騰の社会環境下、消費者は買い物に「失敗したくない」心理が働き、特に大切な相手への贈答品は、定番商品で安心感を求める傾向もある。
ハムギフトの定番は、日本ハムでは「北海道プレミアム美ノ国」や若者にも人気の「シャウエッセンギフト」、伊藤ハムは「伝承」、丸大食品は「王覇」など、各社安心の定番ブランドをあらためて強化するとともに、現在のニーズに合致した新商品の投入で市場を活性化させている。
(11月1日付本紙に「ハムギフト特集」)