10月は「世界食料デー月間」。日本を含む国際社会は、2030年までに世界中の「飢餓ゼロ」の達成を約束した。ところが近年飢餓は増え続け、目標に対して大きく遅れをとっているのが現状だ。
▼国連世界食糧計画(WFP)によると、世界の飢餓人口は昨年7億5000万人となり、3年連続で高止まりした。一時期は5~6億人に減ったが、コロナ禍で再び急増し、ウクライナ侵攻やパレスチナの紛争が輪をかけた。WFP職員によると、「過去に減った歴史があり、再び減らすことは可能。継続的な協力が不可欠」という。
▼SDGsの一環として、取り組む企業が増えてきた。飢餓に苦しむ子どもたちに給食を届ける「レッドカップキャンペーン」は、賛同企業の商品を購入すれば売上の一部が支援につながる仕組みだ。意識すると身近な食品にもロゴを見つけることができる。こうした活動は裾野広く知らせることが大切だと感じる。
▼消費者と接点が多い外食業や小売業が啓蒙にもっと協力すべきではないか。イオン九州は毎年10月に対象商品を並べた売場をつくり販売している。不毛な価格競争より、支援活動を率先して競う社会になってくれればと願う。