飲料嗜好飲料UCC「職人の珈琲」大刷新  味覚とパッケージに磨き  新商品投入して品揃えも強化

UCC「職人の珈琲」大刷新  味覚とパッケージに磨き  新商品投入して品揃えも強化

 UCC上島珈琲は、家庭用レギュラーコーヒー主力ブランドの一つ「職人の珈琲」のレギュラーコーヒー粉とワンドリップコーヒーの2カテゴリを大刷新。9月2日から順次発売している。

 味覚とパッケージに磨きをかけるとともに、原価高騰の中、“家庭で日常的にコーヒーを何杯も楽しみたい”というコーヒーヘビーユーザーの満足感が得られる容量と買いやすい価格のバランスを探った。

 ワンドリップコーヒーは16杯分から18杯分へ変更。レギュラーコーヒー粉は240gと480gの2種類の容量を300gの新容量に一本化した。

 今回の大刷新の狙いについて、取材に応じた井上俊之マーケティング本部嗜好品マーケティング部部長は「ワンドリップコーヒーは現在拡大しているカテゴリであり、このカテゴリをさらに活性化させていきたいというのが一番」と語る。

 家庭用レギュラーコーヒー市場は1-7月、価格改定の影響で販売金額が微増、販売数量が微減したとみられる。こうした中、ワンドリップコーヒー市場は販売数量が横ばい、販売金額は微増と推定される。

 UCCは1-7月、「ゴールドスペシャル アイスコーヒー」(250g袋)「ゴールドスペシャル コーヒーバッグ 水出しアイスコーヒー」(4P)とともに「職人の珈琲」ワンドリップコーヒーが好調に推移し「販売金額は市場以上に伸長した」。

 「職人の珈琲」ワンドリップコーヒーの好調要因は、レギュラーコーヒー粉からのシフトに加えて「レギュラーコーヒーにエントリーしてくるときに、ワンドリップコーヒーからスタートしている可能性がある」との見方を示す。

 一層厳しさを増す原価高騰に対応しつつ、これまでの勢いを維持・加速させるため、今回、大刷新に踏み切った。

 「原価高騰への対応の一つとして価格改定があると思うが、それだけでは消費者にお金を多く払っていただけない。価格が上がっても、購入頂けるメリットを示し、よりおいしいコーヒーを味わっていただけるように『職人の珈琲』ブランドを全面リニューアルした」と説明する。

 パッケージは2カテゴリ共通で「職人の珈琲」ブランドのこだわりや本格感を訴求するデザインに刷新。ロゴを横書きから縦書きに変更し中央に大きくあしらい、中央にはシズル画像も大きくデザインして湯気から感じる香りへの期待感を演出している。

 ワンドリップコーヒーについては、エントリー層に向けて安心感を打ち出すべく、同カテゴリで11年連続売上No.1であることを示すアイコンをデザインした。

 味覚も刷新。「深いコクのスペシャルブレンド」「あまい香りのリッチブレンド」「まろやか味のマイルドブレンド」の既存3品は、ブレンド内容と焙煎プロファイルを見直し、全体的には雑味をおさえ、コーヒーの持つ甘みをより感じとりやすくした。

 各アイテムについては「味覚特長を分かりやすくするためアイテム間の距離感をより出していった」と説明する。

 具体的には「リッチブレンド」は苦味と酸味のバランスを整えてマイルド・コクの縦軸と、酸味・苦味の横軸からなる味覚マップのスタンダード(中央)に位置付け、「マイルドブレンド」はよりまろやかな味わいに微調整。「スペシャルブレンド」のポジションはほぼ従来通りでさらにコク深さを際立たせた。

「ビターな味わいのクラシックブレンド」をアピールする井上俊之マーケティング本部嗜好品マーケティング部部長
「ビターな味わいのクラシックブレンド」をアピールする井上俊之マーケティング本部嗜好品マーケティング部部長

 今回は、味・コクのポジションに新ブレンド「ビターな味わいのクラシックブレンド」を2カテゴリで投入する。

 新ブレンドについて「外食店の味覚トレンドは近年、苦味・コクの方向にシフトしてきており『スペシャルブレンド』よりも苦味を打ち出した。そのまま飲んでもおいしいが、ブラックだけでなく、ミルクとの相性もぴったり」と胸を張る。

 容量は2カテゴリとも値頃感を外さずに大容量を追求。

 ワンドリップは販売価格を上げつつ16杯から18杯へと増量。「ワンドリップコーヒーのNo.1ブランドとして、お客様の杯数へのご要望を反映し、たくさん気軽においしく飲んで頂きたい」との思いを反映した。

 ワンドリップの大容量タイプも50Pと30Pの2品を終売し、新たに投入する40Pに集約し既存3ブレンドで展開していく。

「職人の珈琲」レギュラーコーヒー粉
「職人の珈琲」レギュラーコーヒー粉

 レギュラーコーヒー粉については「480gでは値頃感を打ち出しにくく、240gでは“すぐなくなってしまう”とのお声をいただくことから300gに一本化した」という。

 需要期に向けては「『職人の珈琲』がさらにおいしく新しくなったことを伝えるコミュニケーションを検討している」。

 なお、ワンドリップコーヒーは1杯分のレギュラーコーヒー粉がフィルターに入った形態を意味する。

関連記事

インタビュー特集

Mizkan フルーティス刷新(後編) 「新・果実体験」を提供 リフレッシュしたい時に

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。家庭用では業務用で人気の「シャインマスカット」「あまおう」「白桃」を、家庭用・業務用の双方で「ざくろ」を新発売した。

Mizkanフルーティス刷新(前編) 果実のおいしさが主役の新製法 マーケティング本部 田中菜々美氏に聞く

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。

学生が育てるアーモンドの木 明日の社会へ価値循環 デルタインターナショナル×キャンポスブラザーズ

アーモンドの世界的産地である米カリフォルニア州でも、トップクラスの供給量を誇るキャンポスブラザーズ社。日本の販売総代理店を務めるデルタインターナショナルでは、学生の手でアーモンドの木を育てて商品化することを目指す玉川大学の...

原点は休憩中に見上げたキウイ 全国で食材発掘、生産者と企業つなぐ サッポロビールの地域創生事業

 明治9年(1876年)、北海道で新たな産業を興すべく設立された「開拓使麦酒醸造所」をルーツとするサッポロビール。創業150周年を迎える今も、その“開拓”の精神は息づく。ビール会社としての枠にとらわれない発想力を武器に、事業領域拡張の最前線で奮闘する人物に迫った。一次産業を担う各地の生産者と企業のバイヤーをつなぎ、農林水産物の需要創出をサポートするサッポロビールの地域創生事業。その原点は、外食企業のコンサルティングを手がける部署で九州の拠点に配属されていた、一人の担当者のひらめきだった。

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。