2020年から低迷していた豆乳(調製豆乳・無調整豆乳・豆乳飲料)が今年に入り回復基調にある。今年は豆乳メーカー各社のマーケティング活動に、容器や前処理・充填設備などのソリューションを豆乳メーカーへ提供している日本テトラパックが加勢。4月からの日本テトラパック史上初となる豆乳の消費振興を目的としたPR活動も後押しとなった模様で、市場は6月頃から上昇し、秋冬に向けて再活性化の機運が高まる。
秋冬は回復の動きを力強く推進すべく各社とも需要喚起策を実施している。
キッコーマンソイフーズは「TT鍋」を新提案。TTは「豆乳を投入」の略称。TT鍋と銘打ち、寄せ鍋でつゆを追加する際の代替に無調整豆乳などの豆乳を投入することを提案。料理にも使える豆乳の汎用性をアピールする。
同社の大島秀隆取締役常務執行役員マーケティング本部長は豆乳ブームの再燃を思い描く。「2005年頃、豆乳のレシピブックが出されるほど豆乳がブームになったが、コロナ禍を経て忘れ去られてしまった感じがするため改めて訴求していく」と語る。
鍋での訴求にあたり、汎用性をより印象づけるため、豆乳鍋とせずにTT鍋とした。
「豆乳鍋という言葉はスムーズに伝わるが、『豆乳で少しアレンジを加える』といったニュアンスや簡便性が伝わらないため、TT鍋でももう一度アナウンスし直す」という。
マルサンアイはパーソナルサイズの新商品で市場を盛り上げる。
9月、機能性表示食品の「トリプル対策この一本 豆乳飲料」(200㎖)と「ひとつ上の豆乳 豆乳飲料 抹茶」(200㎖)を新発売した。
サブカテゴリでは無調整豆乳が善戦。各社が提案するソイラテ、豆乳鍋、豆乳デザートは無調整豆乳がベースとなっている。
無調整豆乳の新たな動きとしては、9月30日に新発売されたスジャータめいらくの「大豆にこだわり生しぼり製法で作った無調整豆乳」(1000㎖)などが挙げられる。
各社が独自の施策を繰り出す中、日本テトラパックは豆乳全体を盛り上げるべく豆乳の健康価値を訴求。中でも植物性たんぱく質にフォーカスして、5月・6月を中心にSNS広告や鉄道広告を展開した。
秋冬も引き続きPR活動を実施しており、9月4日にはメディア向けに「豆乳摂取による体調改善調査」と題したモニター調査の結果を発表した。