名鉄百貨店「防災フェア」に注目集まる 防災アイテム体験会も開催

名鉄百貨店本店は9月1日の「防災の日」に合わせ、8月21日から「防災フェア」をスタートした。同企画は2016年から展開。9回目となる今年は、見るだけではなく実際に体験することの重要性を考え、初の試みとして「防災アイテム体験会」を初開催。地元に根付く百貨店として、地域顧客に「備えの重要性」と「いざという時に役立つ商品がある」ことを発信している。

メンズ館1階の防災コーナーには、有事のいろいろなシチュエーションを想定した防災セットや便利グッズなどが集結。

防災用品を取り扱うLA・PITA(三重県四日市市)とは、名鉄オリジナル仕様で、3日間分の食料や防災グッズをまとめた防災袋2種(1人用と2人用)を用意。

なかでも長期(5年)保存おにぎり「もっちりつや炊きおにぎり」(うめしそ・こんぶ・五目の3種、各税込453円)は、「ラピタ」の特許製法によりお湯や水で調理しなくても、開封したらすぐに食べられる商品設計で来店客の注目を集めている。

地元電気機器メーカーの生方製作所(名古屋市)が展開する防災キットブランド「ピオマ」とも、名鉄百貨店限定の防災袋を考案。能登半島地震の被災者の声を反映し、簡易トイレや寒さ対策グッズなどを充実させた。また「ピオマ」ブランドでは、女性の声を生かした「女性のための防災グッズセット」(同2380円)も出展した。

プラスチック成型加工から防災用品まで手掛けるナテック(愛知県あま市)は、「車中泊避難用防災セット」をはじめ、「ペール缶防災トイレセット」や「イスの防災セット」など多彩な商品をラインアップ。必要最低限のグッズをコンパクトにまとめたポーチ型「Rescute(レスキュート)」も各種取り揃えた。

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このほか、ワコールの使い切りインナーやJackeryのポータブル電源など、災害発生時に高い需要が見込まれる商品を紹介した。

また、名鉄がグループを挙げて取り組んでいる世界初の着脱型車いすけん引装置「JINRIKI」や、ギフパッキング(岐阜県瑞穂市)の強化段ボールを使ったベッドやトイレなども、実物を展示。「JINRIKI」の組み立てや走行体験、段ボールベッドとトイレの組み立て体験も行った。

期間中は、防災に関する講座(要費用)も開催。ペットとの同行避難の方法や防災ホイッスルのオリジナルデコレーション、「防災パン」作りなどを実施予定。「防災パン」は、買いだめで米や小麦粉などが早々になくなる中、売場に残りがちな強力粉を生かして作ったパンのこと。

「当社ではこれまでもお客様が実際に使って必要かどうか、かつ実際に避難した時にそれが使えるものかどうかというのを、お客様の声を聞きながら取引先さまと一緒に毎年バージョンアップしてきた。今回は、いろいろなシチュエーションで役立つグッズを一堂に見たいとの声に応え会場を設営した」(紳士営業部紳士洋品雑貨シニアバイヤー・高柳彰氏)。

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