米国ではハリス副大統領の出馬により、新鮮味も若さも感じられなかった大統領選の注目度が一気に高まった感がある。一方、わが国では自民党総裁選の候補者が10人程度にのぼる見通しで混戦模様。メディアの予想合戦も喧しい。
▼思えば7月に行われた東京都知事選も過去最多の50人以上が立候補し、結果は現職の小池知事が再選。不適切なポスターや政見放送など様々な問題も残した。選択肢が多ければ良いというものでもない。
▼食品業界では一つのカテゴリーに多くの商品が並び、消費者は好みに応じて手にすることができる。メーカーからすると選択肢が豊富な分、競争も激しくなり安売り合戦のリスクも高まる。ただ、値上げ続きの昨今は買物客も手を出しづらくなっており、上がった値段に見合うだけの価値や存在感がなければ市場に残るのはますます難しくなっている。
▼言うまでもなく、与党のトップは日本の顔だ。その適性と、それだけの存在感を持つ人物の就任が望まれる。それにしても残念なのは、商品と違い直接選ぶ権利がわれわれにないことである。