大和製罐は、「第49回千葉の親子三代夏祭り」(千葉県千葉市)にキッチンカーを出店し、繰り返し使えるスチールカップで飲料を販売した。
同社がキッチンカーを出店するのは初の試み。最大の狙いは、何度でもリサイクルできるスチールという素材を消費者に知ってもらうことにある。
8月18日、取材に応じた山本達平マーケティング部部長は「生活者の中には、スチールの原料を知らない方や、アルミとスチールの違いがわからないという方もいらっしゃる。鉄から生まれ、何度でもリサイクルできるスチールという素材を改めて知っていただきたい」と語る。
スチールの主原料となる鉄は、地球の質量の1/3を占める天然の素材。リサイクル時に熱をかけて溶かすことで不純物を取り除き、何度でも鉄製品に使用できる。磁石につく性質を利用することで、分別効率が高い点も特長となっている。
イベントでは、スチール製の「1Day Steel Cup(ワンデースチールカップ)」でアルコールやソフトドリンクを提供した。
「使用後のカップは、スチール缶と同様に資源回収に出していただくことでリサイクルができる。何杯飲んでも、ゴミを出すことがなく環境によい。カップの強度や口当たりにもこだわって作った」と胸を張る。
これまで「1Day Steel Cup」は、鉄鋼業界のパーティーなど、限られたシーンでのみ使用されていた。今後はカップを使用してイベントに出店するほか、SNSも活用しながら、一般の消費者にスチールの魅力をより伝えていく。
「最終的には、他の鉄製品も含めて鉄やスチール製品の認知度を高めていきたい。改めて素材の魅力を知っていただくことで、スチール製の商品が世の中に増えてきてほしい」と意気込む。
イベントでは、2杯目以降のアルコール類が割引になるサービスを実施したことも奏功し、多くの来場者がブースに訪れた。同社は2日間合計で、おかわりを除き2385缶を販売した。