サントリー食品インターナショナルは下期(12月期)、オーストラリア(豪州)の新工場で飲料の製造を開始する。
豪州は人口が増加していることに加えて、平均年齢が若く子育てファミリー層が多いことから、サントリーでは豪州を有望市場の1つと位置付けている。
オセアニアの生産物流体制の現状について、8月9日開催された決算説明会で小野真紀子社長は「現在、オセアニアに関してはニュージーランド(NZ)・オークランドにある自社工場で生産し、豪州にはNZから輸出している。それ以外は豪州のパッカー(外部の工場)に製造委託している」と語る。
オセアニアでのサントリーの売上規模は従来、豪州よりもNZのほうが大きかったが現在は逆転。
「国の規模や消費者の数というところもあり、豪州のビジネスのほうが、だいぶ大きくなってきたということもあって、サプライチェーンネットワークを安定的に強化するという目的で新工場を建設した」と説明する。
新工場は、子会社のフルコアサントリーグループが建設。飲料とRTD(缶チューハイ・缶カクテル・ハイボール缶など)を製造する。
RTDに関しては製造販売開始に向けてサントリーグローバルスピリッツ社(旧名ビームサントリー)の準備を進めている。
新工場稼働により、豪州での販路拡大と商品ラインアップの拡充に取り組む。
販路については「シドニー、メルボルンといった東部の市場が大きいが、当然、パースなどの西部も市場として捉えている」と述べる。
商品は、好調なエナジードリンク「V」を引き続き主力ブランドと位置付ける。「『V』以外にも『BOSS』など商品ポートフォリオ拡充のポテンシャルはまだまだある」とみている。