UCC上島珈琲の紙パックコーヒーが好調に推移している。同社は「UCCゴールドスペシャル」「UCC GOLD SPECIAL PREMIUM」「上島珈琲店」の3ブランドで紙パックコーヒーを展開している。
上期(1―6月)の販売動向について、取材に応じた油谷仁敬マーケティング本部飲料マーケティング部部長は「3ブランドとも好調の市場のトレンドを上回り、非常にいい動きをしている。異なる売場や異なるお客様に適したラインアップを揃えることができた」と胸を張る。
特に好調を牽引しているのは、「ゴールドスペシャル」。
「嗜好品のレギュラーコーヒー(粉)でナンバーワンのブランドのため、ブランドに対する安心感や信頼も相まって非常に数値が良い。最近になって、レギュラーコーヒーとの買い回りが起きていることも判明した。冬場に粉で飲んでいた方が、春夏の時期になると紙パックで飲んでいただく動きが見受けられるようになった」と述べる。
昨年から売場で紙パックカテゴリを押し出していることも奏功しているという。
「お客様のご家庭で簡単においしいコーヒーも楽しんでいただこうと昨年から本格的に紙パックに取り組んでいる。売場を拡大して紙パックのカテゴリ自体を広げていきたいと考えており、それが少しずつ実現できてきている」という。
インテージSRI+によると、紙パックコーヒー市場は、チルドとドライの合算で販売金額は3.2%増、販売数量は7%減となった。
紙パックコーヒー市場は、100円以下が苦戦する一方で高付加価値商品が伸びざかりとなっており、「市場の中で数少ない、全体の平均価格が上がり続けているカテゴリ」と有望視する。
紙パックコーヒーの伸長要因については「コロナ禍でイエナカ需要の増加とともに拡大した。昨年から人流が回復したことで落ち込みを懸念していたが、手軽でおいしいといった価値が定着したとみられる」との見方を示す。