加工食品油脂J-オイルミルズ 佐藤達也社長 創立20周年、さらなる飛躍へ 低負荷実現で成長目指す
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J-オイルミルズ 佐藤達也社長 創立20周年、さらなる飛躍へ 低負荷実現で成長目指す

J-オイルミルズは今年7月で創立20周年を迎えた。04年7月に前身のホーネンコーポレーション、味の素製油、吉原製油の3社が完全統合して発足。世界的な人口増加と穀物需要の増加、バイオ燃料需要の高まりなど、製油業界を取り巻く環境が大きく変化するなか、J-オイルミルズは新たな企業理念「Joy for Life~食で未来によろこびを~」を掲げ、植物由来の原料から価値を引き出し、「おいしさ×健康×低負荷」の実現を目指している。創立20周年を迎え、佐藤達也社長は次のように語った。

  ◇ ◇

「お取引先、お客様をはじめ、多くのステークホルダーに支えられ、創立20周年を迎えることができた。創立以来、当社は人々の生活に欠かすことのできない食用油・ミールの安定供給に努めてきた。今後も皆さまの期待に応えていきたい」と感謝の意を示す。

そのうえで、「私自身、2021年に当社に来たが、これまでの歴史で尽力してきた先輩社員の志を忘れることなく、会社を成長させていきたい」と語る。

20周年の節目を機に、これまでの取り組みを検証し、次の30周年、50周年につなげていく考え。「現在、2026年度を最終年度とする第六期中期経営計画の達成に全社一丸で取り組んでいるが、これとは別に長期的な道筋を社内で共有し、しっかりと形にしたうえで発表したい」。

この20年を振り返り、「国内の成熟化と海外との競争激化を勝ち抜くため、100年以上の歴史を持つ3社が統合し製油企業としての競争力を高めてきた。(着実に成果を上げてきたが)歴史的な原料価格高騰やコロナ禍など外部環境の影響もあり、21年度には創立以来初の営業赤字も経験した。創立当初に目指したような競争力が発揮できているかというと決して満足いくものではないが、前期業績は復活を果たすことができた」と語る。

佐藤社長は就任以降、「復活と成長」を目指し、全社一丸となって構造改革を推進してきた。前期はコロナ前の利益水準を上回り、「復活」を果たすことができたが、「今後どのように『成長』を示せるかが当面の課題」という。

成長戦略の柱となるのが、企業理念体系にある「おいしさ×健康×低負荷」の実現だ。植物から生まれる「あぶら」「でんぷん」「たんぱく」を生かし、人と社会と環境に貢献する。こうした思いのもと、環境と使いやすさに配慮した紙パックの食用油「スマートグリーンパック」シリーズや、独自のSUSTEC技術で長く使えてサステナブルな業務用油「長徳」シリーズなど、差別化製品の展開は広がっている。

強みとする業務用ビジネスでは、幅広い顧客接点、技術力をベースに、お客様の抱える課題に対して並走するソリューション提案を強化。マーケ・開発・営業・生産の各部門が連携し、お客様に新たな価値を提供する「おいしさデザイン」を追求する。

海外やスペシャリティーフード事業など、新たな事業分野の育成・展開にも力を入れる。そのカギとなるのが“人財”育成だ。

「04年の統合後に入社した社員が、今や全社の7割弱を占めるようになった。失敗を恐れることなく、自由闊達にチャレンジできる企業風土への変革を促していくことが私の役割」と語る。

家庭用製品を中心に、コミュニケーションブランド「JOYL(ジェイオイル)」を軸としたプロモーション活動も強化。20周年を機にさらなる飛躍を目指す。

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