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飲料嗜好飲料三井倉庫ロジスティクス、ワークショップを増設 最新コーヒーマシンは今秋販売予定
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三井倉庫ロジスティクス、ワークショップを増設 最新コーヒーマシンは今秋販売予定

 スイスの業務用全自動コーヒーメーカー「FRANKE(フランケ)コーヒーシステムズ」を中核に展開している三井倉庫ロジスティクスのコーヒーシステムズ事業は今期(2025年3月期)、企業パーパスに掲げる「社会を止めない。進化をつなぐ。」を推進していく。

 取材に応じた奥津忠行コーヒーシステムズ事業部長は「経営指針にはチャレンジの要素がある。新たな分野を含めた多種多様な業態に向けて、今まで培ってきたもので挑んでいきたい。加えて、お客様を裏切らないようにサービスに磨きをかけていきたい」と意欲をのぞかせる。

 コーヒーシステムズ事業の方針としては、前期に引き続き「モア ペネトレーション(More Penetration)」と「モア アグレッシブ(More Aggressive)」を掲げる。

奥津忠行コーヒーシステムズ事業部長
奥津忠行コーヒーシステムズ事業部長

 「“モア ペネトレーション”は、既存のお客様への更なる浸透を図ることを意味し、サービスレベルの向上やコーヒーマシンの入れ替え需要などへの対応を強化していく。“モア アグレッシブ”では新たなマーケットにチャレンジしていく」と説明する。

 サービスレベルやコーヒーマシンの入れ替え需要への対応強化策の1つとして、ワークショップを増設する。

 同社は、同社の起源である大手電機メーカーの物流会社で培ったシステムやノウハウを強みに、各業界の様々な機器に関するテクニカルサービスのノウハウとロジスティクスをかけあわせた「テクニカルロジスティクスプラットフォーム」と称するビジネスモデルを展開している。

 現在、様々な機器の搬入設置やアフターサービスの一元管理にとどまらず、機器関連の消費財の調達から供給までのサプライチェーンのあり方からロジスティクス改革までを提案している。

 搬入・設置にあたっては、同社のテクニカルロジスティクスプラットフォームで一本化。

 「他メーカー様の機材を全てお預かりして、ワークショップで搬入先様にあわせて機材調整した上で一度に全ての機材を搬入・設置することが可能」という。

 ワークショップは、戸田事業所(埼玉県戸田市)と大阪府内の計2ヵ所に設置。今後、橋梁会社とも連携し、関東圏にも設置予定だという。拠点を増やすことでサービス向上を図るとともに横持配送に要していた時間と費用を削減する。

 戸田事業所では、スイスからコンテナで入荷したコーヒーマシンを設置されるまで、保管、点検、仕様変更などを行い、同事業所内にあるワークショップで撤去されたマシンを整備し再活用出来る状態に仕上げるリファービッシュも展開している。

 前期業績は、業務用コーヒー市場の回復に伴い、コーヒーマシンのリファービッシュなどのきめ細かな対応が奏功して増収増益を達成した。

 「マシンの新規販売に加えて、長くマシンを使用されているお客様に対するメンテナンスサービスやリファービッシュといった我々が注力しているところが支持され、業績の底上げにつながった」と振り返る。

 同社はこれらの経験を更に活かし、コーヒーマシン以外の分野や、同社の子会社で搬入設置を主力としている株式会社コネクスト(代表取締役社長 松川健一)と協力体制を敷き、様々な分野に拡大を続けている。

 高まるメンテナンス需要などに対応するため、ワークショップの増設に加えて専属エンジニアも増員。「弊社のパーパスをご理解頂き、ご協力頂ける代理店様と調整を重ね、昨年だけで9社が弊社のネットワークに加わっていただいた。代理店様に対し技術研修やOJTを重ね、全国のネットワークをより強固に築き上げていく」と述べる。

 “モア アグレッシブ”の施策としては、「フランケ」から「Beyond Traditional」をコンセプトに掲げる新発想の最新コーヒーマシン「Mytico(ミティコ)」が今年7月をめどに発売が予定されている。本機は東京ビッグサイトで2024年7月16日から開催される展示会、「CafeResJapan 2024」で日本初公開の予定だ。

 「Mytico」の特徴については「人手不足への対応と効率化が求められる中で、『Mytico』は自動化された操作と直感的な洗練されたデザインを両立してバリスタのコーヒーエクスペリエンスを簡単に実現できるのではないか」と語る。

 マシンの高さが61センチと低めに設計されているのも特徴で、カウンターで「Mytico」を間に挟んでも来店客とコミュニケーションがとれるようになっている。

 来店客はバリスタがコーヒーを淹れている雰囲気が楽しめる一方、バリスタはオートスチームで作られたミルクフォームを注ぐ必要はあるが、それ以外のほぼ全ての工程が自動化されているため、来店客との会話に集中することができる。

 「お客様からは完全にトラディショナルに映るが、バリスタの技術を『Mytico』が補ってくれる。人手不足や経験不足の中、トレーニングに要する時間やコストが削減でき、チェーン展開しているカフェなどで、バリスタクオリティーを実現したいというニーズに対応していきたい」と述べる。

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