海外で飛躍する即席麺 エースコックベトナム「Hao Hao」世界観広げる BIGなど追加、シーズニングも人気

ベトナムの即席麺市場でトップシェアを誇るエースコックベトナム。2024年度は主力ブランド「Hao Hao(ハオハオ)」で大盛りタイプや麺だけの10食入りなど新商品を積極的に投入している。市場に深く浸透し国民食とも呼ばれる存在だが、「ブランドの世界観を広げ、さらなる強化を図っていく。世代を超えて食べ続けていただけるように」(エースコック海外事業部)との考えだ。

バースデー企画 金の「Hao Hao」プレゼント

エースコックグループのベトナムを中心とした海外事業は、前12月期の売上高が12.1%増と二ケタ伸長し、854億7千800万円となった。

同国には7拠点11工場を置き、年間約34億食(輸出含む)を生産する。昨年度は景気減速の影響で消費環境が厳しかった中、リーディングカンパニーとして需要喚起策に注力。なかでも7~9月に生活者応援として「Hao Hao」シリーズ9品、「DE NHAT PHO(デ ニャット フォー)」シリーズ2品を対象に値下げ企画を展開。期間中の販売数量は二ケタ増となり、通年の業績も底上げした。

また「Hao Hao」の誕生日にあわせ9月に豪華なプレゼントキャンペーンを行った。一等には金で造られた「Hao Hao」のミニチュア(75g)を用意。ユニークな企画で大きな話題を呼んだ。また「DE NHAT PHO」はリニューアルにあわせ、人気タレントを起用しテレビCMを放映した。

新商品で喫食シーンを開拓

麺のみ10食入りで食シーン開拓 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
麺のみ10食入りで食シーン開拓

24年春は「Hao Hao」ブランドのさらなる強化を図る一環で、新商品を積極的に投入している。メーンフレーバー「TOM CHUA CAY(トムチュアカイ)」では「同BIG」をラインアップ。1食100gでレギュラー品比3割増量した。同社によると、ベトナムでインスタントラーメンは朝に食べられることが多く、「大盛りタイプで昼食・夕食の需要を開拓したい」との狙い。

また現行のシリーズ全9品を対象に、1日に必要な3分の1のカルシウムが摂取できるようにブラッシュアップした。おなじみの味わいはそのままに、健康志向の高まりにも応える。

さらには「Hao Hao」の麺のみをセットした10食入り「Hao Hao MI VAT」を発売。もともと鍋の〆として食べられる需要があり、「家庭の鍋料理や焼そばの麺などで広く利用していただければ」(海外事業部)と期待する。

おなじみの味をさまざまなメニューで - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
おなじみの味をさまざまなメニューで

一方、ユニークなのは「Hao Hao TOM CHUA CAY」の粉末スープを再現したボトル型のシーズニング「Muoi Cham Hao Hao TOM CHUA CAY」。昨年、パッケージを現行タイプに刷新した。人気のすっぱくて辛い味わいを手軽に楽しめるとあって、好調な売れ行きとなっている。すいか、マンゴーなどの果物や揚げ物などと相性が良いという。直近は現地小売店などに配荷が拡大中。

現地の旺盛な需要に応えるべく、5月にベトナムのビンロン省で新工場の建設に着工した。稼働は26年3月予定。ラーメン、春雨、米麺など即席製品の新拠点として、年間12億食の供給を計画する。