三菱食品は、食料消費額の4割超を占めるシニア層向けの提案を強化する。7月23~25日に開催した「ダイヤモンドフェア2024」で、60~84歳のシニア層を「ゴールド世代」と位置づけ、年代別の課題やニーズを捉えたきめ細かな提案や、シニア層が抱える課題に対応した店づくりの重要性を訴えた。
同社では、日常的にスーパーマーケットなどで買い物をする60~84歳のシニア層を「ゴールド世代」と定義。シニア層は食料支出の44%を占める食のパワーコンシューマーであり、その比率は2040年には5割を超える見通し。日本の総人口が減少する中で、60歳以上の人口は今後20年間にわたって増加することが確実であり、シニア層の消費に焦点を当てたグループインタビューと全国1千500人規模の定量調査を実施。シニアのライフスタイルや食生活や買い物行動を分析し、そこから導き出した今後の消費活性化に向けた事例やヒントを示した。
具体的には、シニア層という大きな括りではなく、60代、70代、80代の3世代に分け、それぞれの世代に対応した商品提案の重要性や、店づくりのポイントを示した。例えば、シニアの購買力では、60代の多くに収入があり、70代前半でも男女4割が仕事の収入があることから、「ゴールド世代の購買力は若年・中年層を大きく上回り、食品消費にも積極的」(同社)という。
また、60代は情報収集やショッピングにデジタルをフル活用していることや、贅沢な自分時間を楽しみ、子や孫への支出を惜しまない一方、シニア各世代で女性の家事負担が大きいこと、加齢による視力の低下は商品選びにも影響を与えている実態が明らかとなった。ゴールド世代が買いやすいと感じる店選びのポイントとして、停めやすい駐車場が挙げられ、免許返納後の買い物サポートがより重要になってくるという。
ダイヤモンドフェアでは、こうしたシニア層の実態をふまえ、三世代で過ごす週末の販促企画や、子・孫世代とのコミュニケーションにつながる商品提案、健康に配慮したゴールド世代の朝食、冷凍食品を活用した調理サポートなどの販促事例を紹介。「ウエルネス」「1食を価値あるものに」「食エコ」「地域創生」の各コーナーでも、シニア層向けの充実した提案を披露し、来場した小売業・メーカー関係者の注目を集めた。