アイスティーの極み 「日東紅茶」が“紅茶氷”発信 氷がとけて深まる味わいと見た目のかわいらしさがウリ 飲用層の裾野拡大に期待

 三井農林はこの夏、「日東紅茶」初の試みとして“紅茶氷(こうちゃごおり)”を発信している。

 紅茶氷とは、紅茶や濃縮飲料などを冷凍したものを氷の代わりにアイスティーに入れる飲み方提案。「日東紅茶」ブランドではこれまで、濃縮飲料「ロイヤルミルクティーベース甘さ控えめ」を凍らせたものをミルクに入れる提案を実施。アイスティーに入れる提案は今回が初めて。

 地球温暖化にともない紅茶においても飲料や水出しでのアイス飲用が拡大していることを背景に“アイスティーの極み”として紅茶氷を公式オンラインショップ「日東紅茶TeaMart」などで提案する。

「レモネードベース」を凍らせたものを「水出しアイスティー マスカットグリーンティー」のアイスティーに入れる紅茶氷 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「レモネードベース」を凍らせたものを「水出しアイスティー マスカットグリーンティー」のアイスティーに入れる紅茶氷

 

 紅茶氷の狙いについて、河西夏実さんは「日東紅茶TeaMart」の売上拡大とともに、アイスティーを夏に飲んでいただく習慣を根づかせていきたい」と語る。

 メーンターゲットは紅茶のノンユーザーやライトユーザー。「紅茶をなんとなく好まれる方にも気軽に楽しんでいただきたい」という。

 氷入りのアイスティーは氷が溶けるとティーの味わいが水で薄まってしまう。紅茶氷はその課題を解消する提案でもある。

 「紅茶氷はアイスティーの味わいを薄めることなく、氷が溶けない状態で飲んでいただいてもおいしく、溶けて深まる味わいを楽しむこともできる。見た目もかなり可愛らしくできる」と木田瑚(さんご)さんは胸を張る。

「ロイヤルミルクティーベース甘さ控えめ」を凍らせたものを「ミルクとけだすティーバッグ アイスアールグレイ」のアイスティーに入れる紅茶氷 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「ロイヤルミルクティーベース甘さ控えめ」を凍らせたものを「ミルクとけだすティーバッグ アイスアールグレイ」のアイスティーに入れる紅茶氷

 今回、様々な組み合わせの中から同社が厳選した次の3つの組み合わせを「日東紅茶TeaMart」やSNSで発信する。

 ――水と1:1で割った「レモネードベース」を凍らせたものを、パッケージの記載通りまたはやや長めに抽出した「水出しアイスティー マスカットグリーンティー」に1:2になるように入れる。

 ――原液のまま凍らせた「ロイヤルミルクティーベース甘さ控えめ」を、抽出した「ミルクとけだすティーバッグアイスアールグレイ」と1:2になるように入れる。

 ――好みのフレーバーの「デイリークラブ 6バラエティパック フルーツ」を抽出して凍らせたものを、冷やしておいた「水出しアイスティー トロピカルフルーツ」に1:1になるように入れる。特に同アソート品に含まれる「マンゴー&オレンジティー」を氷にすると、二つとも似た香りのため相性がよく、お互いを邪魔せずにトロピカル感と紅茶感がさらに奥深くなったように感じるという。「マンゴー&オレンジティー」の単品販売は近日開始予定。

 製氷皿やフリーザーバッグを使って凍らせる。

 「日東紅茶TeaMart」や公式インスタグラムでは、3つの紅茶氷のイメージを1本の動画で紹介している。

三井農林の河西夏実氏と木田瑚氏 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
三井農林の河西夏実氏と木田瑚氏

 コミュニケーション施策については「SNSをみると、コーヒー氷の投稿数が1千件以上あるのに対し紅茶氷はその半分。これから紅茶氷というワードを使って盛り上げていきたい。紅茶に興味はあるものの『日東紅茶』を試されたことのない方や紅茶に対してハードルが高いと思われている方にアプローチしていくとともに、お客様と共創して一緒に盛り上げていきたい」と意欲をのぞかせる。

 「日東紅茶TeaMart」の販促施策としては、紹介レシピの組み合わせをセットにして販売するほか、そのセットの購入でティーウエアが10%引きとなるキャンペーンを実施する。

 公式Xでも紅茶氷の連動コンテンツの投稿を予定している。

 紅茶愛好者による自発的な発信にも期待を寄せる。

 「紅茶好きの方はライト層にも伝播するパワーを持ち合わせている。紅茶好きの方の投稿を目にされて『紅茶氷だったら簡単そうだ、試してみたい』と思っていただけたら嬉しい」と語る。

 今回対象商品に選んだ「水出しアイスティー」や濃縮飲料は、紅茶ライトユーザーにも人気が高い商品だ。「水出しアイスティー」シリーズは近年右肩上がりに成長し、コロナ禍の家庭内需要の増加で勢いづいている。

 「『水出しアイスティー』はご自宅で手軽に楽しめるところもポイント。夏の高温化・長期化が予想される昨今、夏場の需要に応えるべく『水出しアイスティー』を拡大していきたい」との考えを明らかにする。