関西でスーパーの新規出店が相次いでいる。くしくも8日には、オーケーが関西への初出店を公式に発表。各社はドミナント強化によるシェアアップや、スクラップ&ビルドでの活性化を図り競争力を高める狙いだ。
平和堂は6月29日、大阪府茨木市にSM「フレンドマート茨木平田店」を開店した。大阪府内23店目、茨木市内では5店目となる。京阪第二営業部の伊藤勉部長は「今回の出店により近隣にある当社の店のレベルも高まり、茨木エリアで力強いドミナンスが形成されるのを期待する」と力を込める。
その2日前の27日には、さとうが京都府南部の井手町に主力業態「フレッシュバザール井手店」を出店。同社は北近畿エリアを地盤とするが、人口の多い大阪と京都南部を重点エリアと位置付け“南下政策”を進めてきた。同店はその重点エリアにおける10店目となる。
近年オープンした同地区の新店に比べカード会員の新規加入ペースが速く、エリアでの認知度が高まっていることがうかがえる。佐藤総二郎社長は「チェーン経営で10店は一つの単位。既存店舗との相乗効果が期待できる」と強調する。
イオングループのスーパー各社は、スクラップ&ビルドによる活性化で集客力のアップを図る。イオンリテールは6月28日、大阪府大阪狭山市に小商圏型のSC「そよら金剛」をオープンした。一時休業した「イオン金剛店」の跡地に約1年半ぶりに開業したもので、「そよら」業態は府内5店目。近畿エリアのイオン店舗で有数の品揃えを誇る冷食コーナー、全国初のキッズリユース店(オフハウスキッズ)などを揃え、近隣からの高い頻度での来店を狙う。
蓑原邦明SC本部長は大阪における「そよら」の展開について「商圏の大きな業態ではないので、ドミナント展開が必要。特に南大阪地区は老朽化した店舗が多く、スクラップ&ビルドを推進する中で『そよら』の出店戦略と重なる部分が多い」と説明する。
また、ダイエーは6月27日、大阪市西淀川区に「イオンフード千船店」を開店した。阪神電鉄の千船駅前で50年、営業を続けた店舗を閉め、同駅高架下の商業施設へ新たに出店したもの。ベーカリーやデリカを強化し集客を目指す。
こうした中、今月8日にはオーケーが関西初となる「オーケー高井田店」(大阪府東大阪市)の出店を公式に発表した。開店は11月下旬の予定で、売場面積2千545㎡、駐車場192台分を備える。関西の旗艦店と位置付け、建物内に関西事務所を設ける。
このほか、ロピアは6月に橿原店(奈良県橿原市)を出店。近畿2府2県に19店まで店舗数を伸ばした。バローも4月に八尾店(大阪府八尾市)を開店し、関西で24店舗となった。出店コストや人件費が上昇する中だが、生き残りをかけエリアや業態を超えた出店競争が続いている。