まいばすけっと 配達員が袋詰めや会計も ウーバーの新機能導入

イオンは都市型小型食品スーパー「まいばすけっと」で、オンラインデリバリーサービス「Uber Eats」の新機能「ピック・パック・ペイ(以下、PPP)」を国内初導入した。PPPは配達員が通常の配達作業に加え、加盟店に代わってピック作業、袋詰め、会計作業も行うサービス。6月26日から20店舗で開始し、年内に1千店舗へ導入を予定している。

6月26日にイオン、まいばすけっと、Uber Eats Japanによる合同記者会見が行われた。

まいばすけっとの山本浩司取締役管理本部長は「お客様のデリバリーへの期待値は高かったが、少人数体制の店舗で踏み込むことができなかった。来店が難しい方にも商品が提供でき、少人数運営も同時に解決できる」とメリットを示した。まいばすけっとでは今年5月から数店舗でUber Eatsの対応を開始しており、今回のPPP導入を皮切りに対応店舗を本格的に拡大する。

イオンDX推進担当の菓子豊文氏は「店舗にとって追加の作業負荷が一切なく、現場サイドで非常に大きなアドバンテージを感じることができる。注文を積極的に取りに行くことが可能になる」と期待した。まいばすけっとで導入する狙いについては「東京のマーケットのなかでシェアを取りインパクトを残したい。まずはここで実績をつくり、グループ全体でも検討していく」と話した。

PPPの流れとして、配達員は商品を購入後、袋に詰めてPPP専用のデジタルカードで会計し配達する。その際アプリ上では

①店内の商品位置を確認する機能
②欠品の場合に代替商品が必要か注文者と確認するチャット機能
③間違った商品のバーコードを読み込んだ際に知らせる機能

――を活用できる。なお、PPPは希望する配達員のみが対応する。

「ピック・パック・ペイ」の流れ - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「ピック・パック・ペイ」の流れ

PPPはすでに米国やオーストラリアなどで6万店以上が採用している。Uber Eats Japanグロサリー・リテール事業のカリヤ・ベン氏は、注文者・加盟店舗・配達員の3者にメリットがある点を強調する。「全国に10万人いる配達パートナーは店員に代わりピックアップ作業も組み込むことで新たな報酬機会を得られる。加盟店は商品ピック作業や会計処理負担が必要ない。その結果、デリバリーに参入する加盟店が増えて顧客の利便性が向上する」。

イオンは今後、クイックコマースを含めたEコマースの売上拡大を目指す。菓子氏は「家庭にイオン商品を届けるサービスはイオンネットスーパーやグリーンビーンズがあるが、クイックコマース分野では有効な手立てが打てていなかった」とし、今回の導入を皮切りにiAEONアプリとの連携も進めながら、店舗とデジタルがより融合されたシームレス体験を提供する。