味の素は、このほど「『映え』の次は『地味』がトレンド」と銘打ち「地味調味料 格付けチャレンジ体験会」を行った。同社は、従来の「ほんだし」「コンソメ」「丸鶏がらスープ」の風味調味料を総称して地味調味料と呼び、新たに地味調味料の魅力を発信し、その魅力を生かした多くのメニューへの活用を促す。
体験会の中で味の素のコミュニケーションデザイン部企画グループ山﨑誠也氏は、週に2回以上自宅で調理している10~60代男女のコロナ禍前後の価値観の変化調査を公表。「SNS映えや盛る行為に対して飽きや疲れを感じる人は7割以上」「日用品を購入する際の重視点は、身近な買い物では堅実さを重視」「その理由として本質的な価値を重視しているから」などの結果を報告。
また、地味という単語について「ネガティブなイメージは1割程度」「長く食べ続けたいメニューはごはんが進むメニュー、素材が生きるメニュー、わが家の定番メニュー、風味豊かなメニューが多く、アレンジメニューやトレンドメニューなど流行・SNS映えメニューは約1割に過ぎない」「長く食べたい理由は、食を楽しみたい、美味しさを求めたい、旬の食材を食べたい、素材を楽しみたいなど安定・堅実が上位を占め、SNSに投稿したいや、流行や話題を追いかけたい、自慢したいなどは下位」。影の主役の調味料は何かでは「トップは塩、こしょうの44.5%で、35.2%の風味調味料は2位にランクイン」した。
アナリストが指摘する生活者のインサイトによれば
①コロナを経てより堅実性、安定性を求め、ものごとの本質、価値を見つめる動き
②身近な商品は地味だがいいものや、堅実なもののニーズが高まっている
③地味がポジティブなイメージになりはじめている
とし、「これらを踏まえ、地味だが誰もが失敗せず、味の下支えができる地味調味料の魅力、価値を発信し、素材が生きるメニュー、定番メニューを簡単においしく作れる調味料として訴求する」方針だ。
さらに、体験会では料理研究家であり管理栄養士のもあいかすみさんとタレントのゆうちゃみさんをゲストに招き、地味調味料を使ったチキンキーマカレーを調理し試食した。