全国砂糖特約店協同組合連合会(糖商連、西川宗行会長)は5月15日、農林水産省や精糖工業会・日本ビート糖業協会など砂糖関連団体を招いて恒例の懇親会を開催した。
懇親会の冒頭、西川会長は2021年から続く砂糖価格の値上げに触れ「特約店におかれては、商品価格の上昇に加えて労務費、燃料費などコスト増への対処に追われた3年間であったかと思われる。われわれ特約店として第一に目指すべきことは、こうしたコスト増加分をお客様にご負担いただけるよう努力すること」と強調。
そのうえで、4月から本格化している物流の2024年問題に関して「物流運賃を含め自社の収益構造をあらためて見直し、持続可能な経営に向け各社が努力、知恵を絞ることが重要だ」と述べた。
来賓の農林水産省地域作物課・石田大喜課長は、令和4砂糖年度末で566億円の累積赤字に陥るALIC砂糖勘定に関して「(一昨年に)てん菜糖の交付対象数量を定め、令和5年度からは13年ぶりに異性化糖からの調整金が発生する。関税審議会への対応で加糖調製品からの調整金拡大も認められた」と説明。「引き続き関係者の皆さまとともに、必要な対策を検討してまいりたい」と力を込めた。
精糖工業会・森本卓会長は「物流の2024年問題は糖商連にとって最大の関心事。昨年7月、糖商連より砂糖物流に関して要望書をいただき、当会の業務委員会と議論を重ねている。ご要望のすべてを一挙に実現するには難しい項目もあるが、時々の状況変化を踏まえ対応していくことが重要だ」と語った。
また、「砂糖業界の根幹である糖価調整制度は危機的な状況に陥りつつある」として、「制度の所轄官庁である農林水産省には公助の精神を発揮していただき、すべての関係者が応分の負担をする体制の構築とともに、(ALIC砂糖勘定への)政府財政からのカバーも検討いただきたい」と訴えた。