アサヒ「ワンダ」ボトル缶新シリーズ「コクの深味」が約1ヶ月で100万ケース突破 メインターゲットに定める40-50代男女を獲得

アサヒ飲料は9日、3月26日に新発売した「ワンダ」ブランドのボトル缶新シリーズ「コクの深味」が4月末までの約1ヵ月で100万ケースの累計出荷数量を突破したことを明らかにした。

同シリーズは、前身「極」シリーズの後継。「コクの深味 微糖」「同 カフェオレ」「同 ブラック」を取り揃え、4月単月の3品計の出荷数量は前年の「極」と比較して5%増となった。

初動では、メインターゲットに定める40-50代男女を獲得。

3品の中でコンビニや自販機での取り扱いが一番多いのは「微糖」。今後、「微糖」をシリーズの“顔”として訴求していく。
「極」と比較して伸長率が高いのは「カフェオレ」。ユーザーの反響が大きいという。

「コクの深味」は、ボトル缶コーヒーに寄せられる“物足りなく感じる”といった不満点に対応すべく開発された。

不満点は、消費者が自宅でレギュラーコーヒーを飲む機会が増え、これに伴いボトル缶コーヒーに求められる味覚水準も高まっていったことが背景にあるとみられる。

コロナ禍で休憩時間の過ごし方が変化したことにも着目した。

左から初川淳一マーケティング本部商品開発部商品開発第二グループコーヒー・バラエティ飲料開発チームチームリーダー、荒川浩一マーケティング本部マーケティング三部コーヒーグループグループリーダー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
左から初川淳一マーケティング本部商品開発部商品開発第二グループコーヒー・バラエティ飲料開発チームチームリーダー、荒川浩一マーケティング本部マーケティング三部コーヒーグループグループリーダー

9日、取材に応じた荒川浩一マーケティング本部マーケティング三部コーヒーグループグループリーダーは「在宅勤務が定着し、日によって出社したりしなかったりという働き方となった。そのため、休憩時間の過ごし方も以前のような“同僚と会話をしながら”ではなく“一人で効率よく休憩する”となり“短時間でしっかりと気分転換をしたい”というニーズが高まっている」との見方を示す。

これらの変化を受け、開発にあたっては焙煎と抽出に特にこだわった。

「飲んだ瞬間はコク深く、後味は雑味が残らない味に仕上げた」と胸を張るのは、初川淳一マーケティング本部商品開発部商品開発第二グループコーヒー・バラエティ飲料開発チームチームリーダー。

焙煎では、最初はじっくり低温、最後に高温で一気に焼き上げることで雑味を抑えた。
抽出には、特許取得技術を活用し豆の香りや甘味を引き出した。「研究所で作り上げた味わいを、工場でも同様に再現する点に苦心した」と語る。

なお「ワンダ」ブランド全体について、荒川グループリーダーは「今年の『ワンダ』ブランドは、SOT缶(ショート缶)については安定した推移を目指し、『コクの深味』とペットボトルコーヒー『THE BLACK』を伸びしろとして考えている」と説明する。