明星食品 春夏施策 “五重塔戦略”を推進 全方位+次世代ユーザー

明星食品は、消費行動の多様化と先行きが予測しづらい市場環境に対応するため、引き続き「明星 五重塔戦略」を推進しながら、トレンドに沿った「次世代ユーザーの獲得」にもチャレンジする。24年春夏に向けては「一平ちゃん夜店の焼そば」の戦略商品「関西風お好み焼ソース味」や、かわいいデザインのミニカップ麺「チャルメラ ちいかわラーメン しょうゆ味」などを投入。発表会の席上、豊留昭浩社長は「商品ラインアップを拡充し、消費の変化に全方位で応えていく」などと語った。

「明星 五重塔戦略」は、昨秋からマーケティングのテーマに掲げている。消費の複雑化で「消費の5層」に対応する必要があるとし、最上位の「高級品志向」、定番品を中心とした「レギュラー品志向」、質と量を備えた「格安プレミアム志向」、お得感ある「低価格品志向」、価格最重視の「超低価格品志向」に分類している。

豊留社長は「コロナ禍に続き、アフターコロナも誰もが初めての経験となる。価値観の多様化や予測しづらい変化に備える必要がある」と述べ、「『明星 五重塔戦略』の根幹を支える『心柱(しんばしら)』はイノベーションとマーケティングだ。またメーカーの基盤として生産・営業も重要で、これは安全・信用とも言い換えられる。健康、地域共創、環境をキーワードに、CSV経営にも注力していく」との考えを語った。 

マーケティング方針は木所敬雄執行役員マーケティング本部長が説明。「次世代ユーザーの獲得」のキーワードには①α世代ファミリー②推し活消費③消齢化―を挙げた。「消費の主役は小学生以下の子ども(α世代)を持つ若い家族に移りつつある。コミュニケーションの取り方次第で当社のロングセラーブランドにも新たなチャンスを生み出せる。また近年はアニメを筆頭に“推し活消費”が伸長。好評な『チャルメラ』と『ちいかわ』のコラボで需要をさらに活性化させたい。世代間のギャップが小さくなる“消齢化”も顕著だ。健康感のある『ロカボNOODLESおいしさプラス』などで幅広いニーズを取り込んでいく」。

■「夜店の焼そば」に“関西風”登場

「一平ちゃん夜店の焼そば 関西風お好み焼ソース味」(明星食品) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「一平ちゃん夜店の焼そば 関西風お好み焼ソース味」(明星食品)

「一平ちゃん夜店の焼そば 関西風お好み焼ソース味」は、「一平ちゃん」の原点である「関西のお好み焼き屋」をイメージし、関西風のこってりとした甘濃いソースに仕上げた。モチモチ食感の中太麺とよく絡む。全国発売し新定番を目指すが、関西地区でのシェアップも狙う。価格は236円(税別、以下同)。テレビCMで新発売を訴求。

「チャルメラ ちいかわラーメン しょうゆ味」は、「ちいかわ」たちのイラストを大きくあしらった、かわいらしいデザインのミニカップ麺。具材に「ちいかわなると」入り。α世代ファミリーを中心に幅広い層の需要を想定。価格は142円。両者のコラボはこれまで袋麺のパッケージで2度実施、好評を得ている。

「チャルメラの逸品 大盛 ワンタン麺」シリーズを立ち上げ、「芳醇しょうゆ」と「芳醇しお」を展開。ノンフライの麺とワンタンで質と量の両方を追求した。価格はレギュラーと同じ236円。

「チャルメラ ちいかわラーメン しょうゆ味」(明星食品) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「チャルメラ ちいかわラーメン しょうゆ味」(明星食品)

「ロカボNOODLESおいしさプラス」は、品質は旨みと風味をアップするとともに、パッケージでは低糖質と200kcal未満を強調するパッケージにリニューアルし、新商品「豚旨カレー」(236円)と「コク旨ソース焼そば」(271円)を発売。テレビCMやサンプリングで販売をバックアップする。

高級品志向に応える「麺神」ブランドに「台湾まぜそば」をラインアップ。昨秋のリニューアルで“別格”のおいしさに進化して以降、袋麺タイプが好調な売れ行きとなっている。春夏に向け、汁なしメニューを追加し、ユーザーの間口拡大を図る。価格は188円。