大阪食品業界新春名刺交換会 アフターコロナ初の開催、来場者増

第56回を迎える関西食品界伝統の「大阪食品業界新春名刺交換会」(大春会)が1月9日、大阪市中央区のマイドームおおさかで開催された。今年はアフターコロナとしての初回でもあり、昨年より多くの来場者が参加し、随所で新年のあいさつを交わした。

大春会の主催は大阪府食品卸同業会、日本加工食品卸協会、本紙食品新聞社の3団体・社。関西と北陸は比較的近く、歴史的にも北前船航路などでつながりがあり、現在も関係企業が多いことから開催に先立ち1月1日に発生した能登半島地震の犠牲者を悼み黙とうした。

まずは本紙の山口貢社長が開会あいさつし、続いて主催者を代表して岡本均日本加工食品卸協会近畿支部長(伊藤忠食品社長)が「人手不足、物流問題など24年は正念場。インフレへの転換は経済の循環には意義あることであり成長への出発点。一方でわれわれ自身も痛みを伴うので信念をもって臨むことが重要だ。食品流通界では、賃上げ促進、環境保護、持続可能なサプライチェーン構築などの成長投資は欠かせないし、そのための利潤確保も欠かせない。価格改定は進み、消費者にも受け入れられている。物流問題も進めているが、これらは外部的圧力による取り組み。今後も成長を確固たるものにするには自立的、能動的な動きが重要だ」と各位に訴えた。

乾杯は、味の素の小笠原卓也執行理事大阪支社長が「24年は大阪・関西万博に向かう中で経済活性化も期待したい。食品では、人口減、少子高齢化が続いているが、しっかり価値を伝えていくことが重要だ。もう一点、共同・共調がテーマとなる。物流24年問題に限らず、廃棄ロスなどの環境問題、商品情報などのデジタル推進など、皆さまと一緒にしっかり実現していきながら、食品業界の持続的発展につなげていきたい」とあいさつし、杯を掲げた。

中締めは緒方学大阪府食品卸同業会会長(伊藤忠食品執行役員西日本営業本部長)が「インフレが進み、物価の上昇も実感している。今年は賃金の上昇も期待したい」と話し、一本で締めた。参加者は393人。

左から 日本加工食品卸協会・岡本均近畿支部長/味の素・小笠原卓也執行理事大阪支社長/大阪府食品卸同業会・緒方学会長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
左から 日本加工食品卸協会・岡本均近畿支部長/味の素・小笠原卓也執行理事大阪支社長/大阪府食品卸同業会・緒方学会長

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山口貢社長(食品新聞社) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
山口貢社長(食品新聞社)

食品新聞社・山口貢社長のあいさつ

辰年は株価が上昇する年と言われている。株価の上昇は過去50年の平均では11%だが、辰年は28%と高い。今年7月には新紙幣の発行もあり、食品業界への好循環も期待したい。阪神タイガースの今年のスローガンに「歩みを止めない」がある。食品界も価格改定を実施してきたが、これからが本当の勝負。上がった分を維持しながら、さらに価値を高めていく努力が重要だ。

広島は210人が参集

中村角・中村一朗社長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
中村角・中村一朗社長

広島では5日、ANAクラウンプラザホテル広島で「広島地区食品業界新春名刺交換会」が開かれた(主催:食品新聞社、共催:広島食品卸同友会、協賛:広島海産乾物瓶缶詰商業組合)。4年ぶりの開催となった今回は食品卸、メーカー関係者約210人が参集した。

食品新聞社の山口貢社長が「足元では2024年問題があり、今後もコスト高が続くと思われる。プライスを含めた食品の価値を維持し、いかに消費者に敬意を持ってもらうかが重要」と強調した。

また、地元卸を代表してあいさつした中村角の中村一朗社長が値上げ対応、物流対応、生産性向上という3つの課題を挙げ、「価格転嫁が末端まで行きわたるよう業界を挙げて取り組みたい。物流に関しても業界全体が効率化できるよう、みんなで協力することが大事」と力を込めた。

会は味の素中四国支店亀谷伸生支店長の発声で乾杯。三島食品の三島豊会長が中締めを行った。