キリンビバレッジの吉村透留社長は12月12日、「プラズマ乳酸菌」入り飲料の1-11月累計販売数量が前年同期比約4割増の800万ケース弱に達したことに触れ「免疫ケアの必要性、『プラズマ乳酸菌』入り飲料の健康価値を多くのお客様に改めて認めていただいたのではないかと自負している」と振り返る。
プラズマ乳酸菌入り飲料のボリュームゾーンは「iMUSE(イミューズ)」だが、高い伸びをみせたのは「おいしい免疫ケア」シリーズであることも明らかにする。
同期間、「おいしい免疫ケア」の販売数量は前身商品「iMUSE朝の免疫ケア」との比較で約3.5倍と大きく伸長した。
「免疫ケア市場の創造に向けてもう少し品揃えを強化すべき」との考えの下、ラインアップを拡充したことも成長を後押しした。
3月、「iMUSE 朝の免疫ケア」に磨きをかけ「おいしい免疫ケア」を販売開始。6月に「おいしい免疫ケア カロリーオフ」、10月にはダブルヘルスクレームの「同 睡眠」を発売して「おいしい免疫ケア」をシリーズ化した。「おいしい免疫ケア」本体の自販機専用商品も追加して顧客との接点を拡大している。
「プラズマ乳酸菌」を配合した飲料としては、4月にスポーツドリンクの「プラズマスポーツ」、5月に「世界のKitchenから ソルティライチプラス」の2種類を発売開始し、夏場の止渇性訴求も行った。
この結果、シリーズ化した「おいしい免疫ケア」はカニバリを起こさずに推移しているという。
「『カロリーオフ』はカロリー摂取忌避層から支持され、『睡眠』は購入時間帯に特徴が出てきている。本体や『カロリーオフ』は時間帯に関係なく買われるのに対して、『睡眠』は特にコンビニチャネルでは夕方やお勤め帰りに購入される傾向にある」と説明する。
販売数量増加に伴い、免疫ケアやプラズマ乳酸菌の認知も向上している。
「免疫と言えばキリンということを合言葉にチャレンジしてきたが、“免疫ケア”という名称や『プラズマ乳酸菌』の認知も上がってきている。“免疫ケア”の認知率は、23年6月には同年1月と比べて約9%上昇した。免疫ケアが身近になっているという実感を持っている」と述べる。
免疫ケアの啓発活動はグループ横断で展開。キリンホールディングスが賛同する官民連携プロジェクトの「げんきな免疫プロジェクト」では今年、人気キャラクター「チコちゃん」を活用した店頭での啓発や、“免疫ケア啓発活動”を南足柄市・小田原市と連携して行った。
キリンビバレッジの活動としては、7月から全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会と共に「Wでととのうプロジェクト」を展開。200か所以上のサウナや銭湯で、新たな健康習慣として免疫ケアを提案し「おいしい免疫ケア」を約12万本サンプリングした。
12月には、順天堂大学の陸上競技部 長距離 ブロックとチームサポート契約を締結。締結から1年間、計2万1500本の「おいしい免疫ケア」を提供する。
免疫ケアに関する講義やレクチャー、日々の健康管理へのアドバイスなどでも、選手やスタッフを支援する。
今後について吉村社長は「『おいしい免疫ケア』がカニバリを起こさず推移しているように、お客様の行動やニーズを深掘りすることで今後も伸びる余地がある。引き続き注力して免疫ケア市場を創造していく」と意欲をのぞかせる。